最終回視聴率8.3% 期間平均は8.2%と2桁届かず

宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の最終回、第47回「時間よ止まれ」が12月15日に放送され、平均視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。全47回の期間平均視聴率は8.2%(同)と2桁には届かなかった。
最終回視聴率8.3% 期間平均は8.2%と2桁届かず
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2019年「大河ドラマ」主演は中村勘九郎&阿部サダヲ!“リレー”形式でバトンつなぐ
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の最終回、第47回「時間よ止まれ」が12月15日に放送され、平均視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。全47回の期間平均視聴率は8.2%(同)と2桁には届かなかった。
日本人五輪初出場の明治末から、東京に五輪がやってきた1964年までの約半世紀を描くオリジナルストーリーとして、1月にスタートした2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)が、12月15日に最終回を迎えた。
この日は1964年東京オリンピック開会式当日の模様が、当時の記録映像を交えてふんだんに描かれ、競技場のスタンドで次々と湧き起こる万歳コールやブルーインパルスによる青空に浮かんだ五輪のマークなどが視聴者の感動を呼んだ。
終盤には「東京オリンピック」実現に執念を燃やした田畑政治(阿部サダヲさん)が涙を流すシーンもあり、さらに日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三(中村勘九郎さん)の“55年越しのゴール”にもSNSは沸いた。
ツイッターではハッシュタグ「#いだてん最高じゃんねぇ」がトレンド1位を獲得。さらには「クドカンのいだてんは絶品」の声であふれた。
2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)は12月15日、最終第47回が放送され、脚本を手掛けた宮藤官九郎さんがタクシー運転手役で登場。SNSは「ん? クドカンやん」「脚本家本人登場」「最後にお前が出るんかいwww」「カメオ出演、最高じゃんねぇーー!!」という視聴者の声で沸いた。
宮藤さんは1964年東京オリンピック開会式当日、志ん生(ビートたけしさん)を後部座席に乗せたタクシー運転手を演じ、せりふは「おじいちゃん、落語家さん?」だった。アサヒ飲料の缶コーヒー「ワンダ」CMでは、たけしさんがタクシー運転手、宮藤さんが乗客役だったため、「タクシーにたけし&クドカンという既視感」「ワンダかよ!」「CMと逆www」という“突っ込み”もあり、盛り上がりを見せた。
一方、聖火リレーの最終走者に選ばれた坂井(井之脇海さん)はプレッシャーの大きさに耐えかねていた。やがてゲートが開き、日本のオリンピックの歩みを支えた懐かしい面々が集まってくる。そのころ、志ん生(たけしさん)は高座で「富久」を熱演していた……と展開した。
大河ドラマは、2020年1月19日から長谷川博己さん主演の「麒麟(きりん)がくる」が放送される。
宮藤官九郎さんが日本人五輪初出場の明治末から、東京に五輪がやってきた1964年までの約半世紀を描くオリジナルストーリーとして、1月にスタートした2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)は、12月15日に最終回を迎える。最終第47回「時間よ止まれ」の放送を前に、ドラマのチーフ演出の井上剛さんがコメントを発表した。「“ワンチーム”となって全員が力を出し切ったことで、自信を持ってお届けできる最終回になったと思っています」と明かしている。
「いだてん」のテーマは「“東京”と“オリンピック”」で、大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶり。中村勘九郎さんが日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三、阿部サダヲさんが「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者の田畑政治を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつないだ。
最終第47回「時間よ止まれ」は、1964年10月10日、念願の東京五輪開会式当日。田畑(阿部さん)は国立競技場のスタンドに一人、感慨無量で立っていた。そこへ足袋を履いた金栗(勘九郎さん)が現れ、聖火リレーへの未練をにじませる。
一方、聖火リレーの最終走者に選ばれた坂井(井之脇海さん)はプレッシャーの大きさに耐えかねていた。やがてゲートが開き、日本のオリンピックの歩みを支えた懐かしい面々が集まってくる。その頃、志ん生(ビートたけしさん)は高座で「富久」を熱演していた……と展開する。
最終回の台本を最初に読んだとき「これだけの内容を60分に詰め込めるか」と思うような宮藤さんの迫力を感じたという井上さんは、「制作陣全員の思いがあふれているので、台本に書かれていること以上に行間を拾っていかないといけない、と意気込みました」と話す。
演出担当としては、「『初回からつながっている!』と(視聴者に)感じてもらえるためにどう見せるか」を意識したといい、「撮影だけでなく編集や音楽も大車輪の活躍で、何とか凝縮したドラマを60分で描くことができたと思います」と充実感をにじませ、「最終回といえばいつもそうですが、終盤のスタッフの疲弊度や差し迫るスケジュールにも頭を悩ませながら(笑い)、 それでも“ワンチーム”となって全員が力を出し切ったことで、自信を持ってお届けできる最終回になったと思っています」ときっぱり。
さらに、「これほど身近に感じられる大河ドラマはこれまでなかったと思います。まさに現代を生きる私たちと地続きの物語。それを掲げてドラマをつむいできたので、視聴者の皆さんにとっても過去とのつながりを実感できるドラマであればいいなと思っています」と思いを語っていた。
日本人五輪初出場の明治末から、東京に五輪がやってきた1964年までの約半世紀を描くオリジナルストーリーとして、1月にスタートした2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)は、12月15日に最終回を迎える。最終第47回「時間よ止まれ」の放送を前に、脚本家の宮藤官九郎さんが、「今だからできたと思います」という「いだてん」執筆について思いを明かした。
「いだてん」のテーマは「“東京”と“オリンピック”」で、大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶり。中村勘九郎さんが日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三、阿部サダヲさんが「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者の田畑政治を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつないだ。
宮藤さんは「歴史の資料を基にドラマを描くのは、僕にとってチャレンジでした。残されている膨大な資料は、たくさんのヒントが得られたと同時に、足かせにもなりました。とはいえ、当然、記録に残っていない部分もたくさんあり、そこは自分で埋めていっていいと都合良く解釈して描いたシーンもたくさんあります」と振り返る。
宮藤さん本人は、資料は“ドラマを描くときのヒントであり、材料みたいなものを与えてくれるもの”との考えで、「これとこれを組み合わせたらどうなるだろう?って、自分で考えていく感じです。その中に架空の人もいて、絶対に交わらないはずの金栗さんと志ん生が間接的につながるという。それは架空の人物を配置したからこその面白さですよね」としみじみ。
「ですから、史実に沿ってドラマを描くのも楽しかったです。よくよく考えたらオリジナルのドラマを書いているときも、身近な誰かをモデルにしたり、役者さんにあてて書いている時点でもう100%僕の頭にあるものではないので、普段から同じようなことをやっているんだなと気づきました」と、新たな発見もあったようだ。
改めて「いだてん」の執筆が決まった当初、「最後まで書き終わらないうちに体を壊したらどうしよう」という怖さもあったという宮藤さん。
「でも、全てを終えた今振り返ると、やっぱりいい経験でしたね。今だからできたと思います。年を取ったらここまで情報処理ができなかったと思うし、逆に若かったらもっと自分を出したくなって、実在の人物よりも自分の頭で考えたことを優先したくなっちゃったかもしれません。そう考えると、この年齢(現在49歳)で、この体力で『いだてん』と出合えて良かったなと思います」と結論づけていた。
最終第47回「時間よ止まれ」は、1964年10月10日、念願の東京五輪開会式当日。田畑(阿部さん)は国立競技場のスタンドに一人、感慨無量で立っていた。そこへ足袋を履いた金栗(勘九郎さん)が現れ、聖火リレーへの未練をにじませる。
一方、聖火リレーの最終走者に選ばれた坂井(井之脇海さん)はプレッシャーの大きさに耐えかねていた。やがてゲートが開き、日本のオリンピックの歩みを支えた懐かしい面々が集まってくる。その頃、志ん生(ビートたけしさん)は高座で「富久」を熱演していた……。
宮藤官九郎さん脚本のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)の最終第47回「時間よ止まれ」(12月15日放送)に、モデルで女優の清田みくりさんが聖火ランナーの鈴木久美江役で出演することが分かった。
清田さんは2002年8月20日生まれ、和歌山県出身の17歳。2018年よりドラマ、映画などに出演し、今後の活躍が期待される新人女優で、クリエーターズサイト「Negative pop」のモデルも務めている。
最終回で、聖火リレーの最終走者・坂井義則(井之脇海さん)にトーチを引き継ぐ当時、中学3年生の鈴木久美江を演じた清田さん。役どころについて「(鈴木久美江は)走り高跳びの選手で、1964年東京オリンピックでは最後から2番目の聖火ランナーです。(実在の)鈴木久美江さんに対して、どの言葉が似合うかとても迷いましたが、屈託のない前向きな方だと思います。私自身、実在する方を演じることが初めてだったので、内面や走り方はもちろん、当時の鈴木久美江さんの髪形に近付けるため10センチほど髪を切って撮影に挑みました。撮影前も撮影中も正解を求めてずっと悩んでいました」と語る。
出演が決まった際の心境について「ごくありふれた反応ですが、まずとても驚きました。結果が“もう出たのか?”というくらい早かったからかもしれません。その後すぐに、ものすごく大きなうれしさがやってきました。選んでいただいたからには、自分で自分に圧をかけて頑張ろう、と思いました」と振り返る。
撮影中は「本当に、幸せな一時でした。周りからの声援や、視界に入ってくる景色など、ああこれは忘れられないなと。鈴木久美江さんも、一番印象に残っている出来事だと言っていた、とお聞きしていたので、そこは共鳴できたかもとうれしくなりました」と話していて、「オリンピックという世界的な大イベントは、さまざまな出来事を乗り越えて、今日まで続いているんだと感じます。きっと見る人の心を打つものになっているだろうなと思うので、ぜひご覧いただきたいです」と呼びかけていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手掛けた2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の放送も残すところあと2回となった。1964年の東京オリンピックの準備は大詰めとなり、12月8日の第46回「炎のランナー」では、聖火リレーの最終走者として、原爆投下の日に広島で生まれた青年・坂井義則の名前が浮上する。坂井役を務めたのが、「平清盛」(2012年)「おんな城主 直虎」(2017年)に続く3度目の大河ドラマ出演となる俳優・井之脇海さん。「1964年の東京オリンピックの最終聖火ランナーに抜てきされるという重要な役どころをいただき、とてもありがたいです。僕の登場シーンが、物語の集大成のようなシーンを担うので、少しプレッシャーを感じています」と明かす井之脇さんに話を聞いた。
◇ドラマでは坂井義則の葛藤も膨らませ…
井之脇さん演じる坂井義則は、1945年(昭和20年)8月6日、原子爆弾が投下された広島で生まれる。高校在学中に国民体育大会の陸上400メートル走で優勝し、1964年東京オリンピックへの出場を目指すが、代表選考会で敗退。田畑(阿部サダヲさん)によって、開会式の最終聖火ランナーに抜てきされる。
「1964年の東京オリンピックの様子は、この役をいただく前からニュースやドキュメンタリーなどで知る機会があり、坂井義則さんの存在、そして原子爆弾が投下された1945年の8月6日に広島で生まれた方ということも知っていました。そして、聖火台に登ったときの笑顔がすごく印象的で、その役が来たことに驚きました」と話す井之脇さん。
オリンピックへの出場を目指しながらも、代表選考会で敗退し夢がかなわなかった陸上選手の坂井。“たまたま原爆が投下された日に生まれた”という理由で聖火ランナーに選ばれるが、井之脇さんによると「実際の坂井さんも、生前はその選考理由に葛藤があったことをインタビューで語っていたそうで、ドラマではその部分を膨らませて描いています」とのことで、「この作品を通して坂井さんの葛藤を知ることができたので、その気持ちをしっかり表現しなければいけないなと責任感が生まれています。それに、台本に描かれていない部分の生き様を上乗せできたら、もっと魅力的な人物になるのではと思っています」と意気込んでみせた。
◇小学生のころは足が速かった? 2020年東京五輪「チャンスがあれば関わりたい」
井之脇さん自身、走ることについては、「実は、小学生のころは足が速くてちょっと大きな大会に出ることになったのですが、出場したらビリになっちゃって……。それがトラウマになってしまい、以来、走ることに苦手意識があった」という。
一方で、「役作りのためにトレーニングを初めたところ、長い距離を走ってもバテないで走ることができています。もともと山登りが好きで体力には自信があったというのもあり、山に行けないときは、街を走るのもいいなと思っています」とも語っている井之脇さん。
2020年の東京オリンピックに期待することを聞かれると、「聖火ランナーには興味がありますね。チャンスがあれば僕も関わりたいですし、(脚本家の)宮藤さんを筆頭に『いだてん』メンバーがその後を走るとかどうですか」と提案し、「ランナーの発表は今年の12月以降とのことで、ぜひ関係者の方々、検討してみてほしいです。NHKの前だけを走る、とかでもいいです!」と呼びかけていた。
宮藤官九郎さん脚本で放送中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に、“東洋の魔女”の異名をとった女子バレーボール日本代表チーム主将・河西昌枝役で出演している女優の安藤サクラさん。バレーボール未経験の安藤さんは今回、斎藤真由美さんやヨーコ・ゼッターランドさんといった元選手の実技指導のもと、1日2時間程度、約10日間の練習を積んだという。「オリンピックに出場する日本代表選手のように見えるようになるためには短すぎる時間だったかもしれません」と振り返りつつ、「できないなりに、形にするのは簡単ではありませんでした。私のような“シロウト”が東洋の魔女の回転レシーブをすると、全身に見たことのないようなアザができる、ということだけは皆さんにお伝えしておきたいです」と“胸を張る”安藤さんに話を聞いた。
◇河西昌枝選手の“女性らしさ”も役に取り入れ…
安藤さん演じる河西昌枝のポジションはセッター。あだ名は「馬」で、卓越したリーダーシップでチームを統率し、1962年にモスクワで開催された世界選手権で当時無敵だったソ連に勝利。1964年の東京オリンピックでも再びソ連を下して、日本中に大ブームを巻き起こす。大松博文監督との壮絶な練習と師弟の強い絆は、今も語り草になっている。
安藤さんは「河西選手はいつも爪に透明マニキュアを塗っていらしたとうかがい、バレーボール一色の生活の中にも女性らしさを大切にされていたエピソードだなと、とても心に残りました。それから写真を拝見したら、河西選手は印象的なパーマをかけていらして、大変おしゃれな方だとも感じたんです。ですから私も演じる際は髪形や爪など、細かいところもちゃんとしたいと思いました」と明かす。
さらには「大松監督も河西さんをはじめとする選手たちも太平洋戦争を経験して東京五輪に臨んだ世代。あの時代を生き抜いた人たちだからこそ出せるエネルギーというのはあると思いますし、私もその時代の人たちが持っていた熱量に少しでも近づけるよう、その思いに応えられるように、気持ちを持っていきたいと考えて演じていました」と話している。
◇宮藤官九郎脚本の魅力 「1行のト書きが、100倍くらいになって描かれている」
今回が初の大河ドラマで、「いだてん」出演を「まさか一視聴者として拝見していた大好きな『いだてん』にお声掛けいただけるとは! 物語も後半に差し掛かっていましたし、このタイミングで呼んでいただけるなんて想像もしていなかったので、心がウキウキするほどうれしかったです」と喜ぶ安藤さん。
“宮藤官九郎脚本”については、「読んでいて『やりたい! この世界に入っていきたい!』と強く思わされる」ことが魅力といい、「現場に入ってみて『いだてん』の世界は宮藤さんの脚本の1行のト書きが、100倍くらいになって描かれているのだとも感じました。そういう監督たちはじめ、制作するスタッフの皆さん、俳優の皆さんの思いで膨らんでいる」と実感を込める。
最後に「監督から、東洋の魔女のバレーボールパートは『いだてん』で描いてきた女子スポーツの集大成的な意味も担っているとうかがい、とても重要な役目だと感じていました。演じられて本当にありがたいですし、こうした形で参加できることは、すごくぜいたくなことだと改めて思いました」と思いを吐露。さらに「朝ドラ『まんぷく』でも感じましたが、NHKのドラマは回によって演出される監督が違うので、いろいろな監督と撮影ができるのも醍醐味(だいごみ)なんです。朝ドラは1年半近くという長い期間ですが、今回は短い期間の中でも、またそういう出会いを経験できて、私はNHKのドラマの現場が大好きだなあと改めて思いました。役者としてまた貴重な経験をさせていただいたと思っています。皆さんにも楽しんでご覧いただけたらうれしいです」と視聴者に呼びかけた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第40回「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が10月27日に放送され、五輪競泳金メダリストの北島康介さんが登場し、ドラマデビューを果たした。
北島さんが演じたのは、“フジヤマのトビウオ”と異名をとった国民的ヒーローの水泳選手・古橋廣之進(ふるはし・ひろのしん)。浜松出身の古橋は、小学生のときから数々の記録を塗り替え、「豆魚雷」と呼ばれる。敗戦国の日本は1948年ロンドン五輪に参加できなかったが、田畑政治が同日程で開催した日本選手権(裏オリンピック)に自由形で出場。ロンドン五輪の金メダリストの記録を上回る世界新記録を樹立し、一躍、極貧に苦しむ日本の国民的ヒーローとなった。古橋の泳ぎは国境を越えて勇気と感動を与え、米国の新聞は“フジヤマのトビウオ”と称賛した。
平泳ぎのスペシャリストの北島さんだが、劇中ではクロールを披露したほか、古橋が裏オリンピックで1位でゴールするシーンでは、名言「チョー気持ちいい」の代わりに「気持ちいいじゃんね!」と大声を上げ、視聴者を喜ばせた。
宮藤官九郎さんが脚本を手掛けるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」は10月27日放送の第40回「バック・トゥ・ザ・フューチャー」から、ついに最終章に突入する。“東京”と“オリンピック”をテーマに描く、33年ぶりの近現代大河となった同作。日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三(かなくり・しそう)、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治(たばた・まさじ)という2人の主人公を長きにわたり演じてきた、中村勘九郎さんと阿部サダヲさんにドラマを振り返ってもらった。
◇身をもって知った五輪選手の重圧 阿部サダヲは「一種目モ失フナ」を反省?
大河ドラマとしては、1986年の「いのち」以来33年ぶりに近現代史を取り上げた「いだてん」で、阿部さんが得たのは「知る楽しさ」だったという。「僕自身、知らないことが結構あって。こうやってオリンピックが東京にやって来たんだって、すごく勉強になったし、知ることでまた面白くなった。『5・15』『2・26』とか、そこに田畑さんがいたということも知らなかったし、知るってことは楽しいんだな」と実感する。
勘九郎さんも阿部さんと思いは同じで、明治の終わりから戦後復興までの近現代を「僕たちのように今を生きる人間が一番学んでおかなければならないところ」と話す。加え、この「いだてん」は、勘九郎さん個人のスポーツの見方、捉え方の変化にも影響を及ぼしたようで、「運動の苦手だった僕がこの作品で走る楽しさを知りましたし、来年、東京に2回目のオリンピックが来ますけど、選手の一瞬にかける思い、プレッシャーというものに対してはすごく気を使うようになりました」と告白する。
さらに勘九郎さんは「そういった意味でも、過剰な報道とかあまりしてほしくない」との思いを抱き、続けて「僕も作品とはいえ、オリンピック前とか白髪が増えましたから」と、身をもって知った重圧の大きさを明かすと、阿部さんも「『何が何でも金メダル』『全種目制覇』と言ってはいけないですよね。それでダメになってしまうこともあるだろうし。ああいった発言は良くないってことも勉強になりました」と、第29回「夢のカリフォルニア」(8月4日放送)での田畑の「一種目モ失フナ」発言を反省していた。
◇宮藤官九郎の意外なアスリート愛に「いい裏切りをもらいました」
阿部さんにはもう一つ“反省”することが。「僕、ドラマが始まる前に『日曜の夜に笑いが起こると思う』と言っていたんですけど、感想を聞くと『泣けた』っていう人がすごく多くて、そこは間違っていたなって」と認識。「笑いが多いイメージがあったというか、こんなに泣ける話とは思わなかったので……。ドラマを見て泣いたってことを直接言ってくれる人も多かったので、そこはびっくりしましたね。僕も台本を読んでいて、実際に泣けるってシーンがいっぱいあったし、そこは意外だったというか、宮藤(官九郎)さんにはいい裏切りをもらいました」と感心する。
さらには「『いだてん』ってオリンピックに関する話じゃないですか。宮藤さん、そんなにはスポーツを見ていないと思っていたから、(日本人女性初のオリンピック選手の)人見絹枝さんの回(7月7日放送の第26回)とか、アスリートを描いて泣けるシーンを宮藤さんが書いたっていうのは驚きました。アスリートを応援して泣いちゃうような、宮藤さんの中にはこういう気持ちがあるんだって」と、新たな発見もあったようだ。
勘九郎さんも「毎回毎回、面白いんですけど、優しいなって思います。これ以上泣いたら疲れちゃうなってところで、和らげてくれる笑いが最後に来るので。やっていても、いろいろな方向に感情を揺さぶってくれるというか、それは生きていて当たり前のことなんですけど、それが必ずお話の中に入ってくるので、やっていて楽しいですし、見ていても毎回すごく楽しい。もう終わっちゃうのかって寂しくもなります」と語っていた。
◇最終章にも新キャラが続々… 中村勘九郎はフルマラソン挑戦に意欲
撮影期間が1年半にも及んだ「いだてん」は、時代の幅もあってか登場人物の多さ、キャストの多彩さも特徴で、勘九郎さんが抱いた印象は「和製アベンジャーズ」。ハリウッドの人気ヒーロー映画を引き合いに語りたくなるほどの豪華さで、いよいよ「1964東京」実現へと向かう最終章にも、新キャラが続々投入される。
「ミュージシャンがいて、お笑いの人がいて、役者がいて、歌舞伎俳優がいて、それにアスリートの方も。いろいろな人とご一緒できたのも、この作品で得たものですね」と話す勘九郎さんは、「僕、ヒザが悪いんですけど、走ってると本当に調子が良くて。歌舞伎のけいこをしている方がヒザにくる。だからヒザのためにも走り続けたいし、フルマラソンもどこかでこそっと走ってみたい」と、この先も走り続けることを誓う。
阿部さんも「普段の大河ドラマと比べても、出演する役者の数がとにかく多かったと思うんですね。なかなか会えない方とお芝居できたのは自分にとって良い経験になりました。もうお芝居することがかなわない方、ショーケンさん(今年3月に亡くなった俳優の萩原健一さん)ともご一緒できたことは、自分の中に残るものですね」としみじみと話していた。
宮藤官九郎さんが脚本を手掛けるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」は10月27日放送の第40回「バック・トゥ・ザ・フューチャー」から、ついに最終章に突入する。1959年、東京オリンピックの招致活動が大詰めを迎えていた田畑政治(阿部サダヲさん)は、東京都庁にNHK解説委員の平沢和重(星野源さん)を招き、来たるIOC総会での最終スピーチを引き受けるよう頼み込むが……という内容で、「1964東京」のキーマンとなる平沢役の星野さんが見どころを語った。
「第40回以降の1964年東京オリンピック編では、僕は要所要所に出てきて田畑に頼られて、助言するという役です。平沢さんがやられたことって歴史の中ではすごいことなんですけれど、ドラマの中ではあっさり消化されているので、お助けキャラみたいな感じです。第40回では田畑さんに招致のスピーチを頼まれて口説かれるシーンがあるんですけれど、ほぼ暗い部屋の中でずっとおじさんたちでしゃべっている撮影だったんです。撮影している時の雰囲気がすごく演劇的で、共演者の方々も演劇の人たちばかり。やりながらどんどん変わっていって面白かったので、そこはぜひ見ていただきたいです」と星野さんはコメントしている。
「いだてん」は、日本人五輪初出場の明治末から、東京に五輪がやってきた1964年までの約半世紀を描くオリジナルストーリー。テーマは「東京とオリンピック」。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶり。
また、第40回は五輪競泳金メダリストの北島康介さんが“フジヤマのトビウオ”と異名をとった国民的ヒーローの水泳選手・古橋廣之進役でドラマデビューを果たす。NHK総合で27日午後8時ほかで放送。
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」がクランクアップを迎え、金栗四三役の中村勘九郎さんと田畑政治役の阿部サダヲさんがコメントを発表した。
9月27日に撮影を終えた勘九郎さんは、「今はまだ実感が湧かないんですけど、これだけ長く作品に携わると、もう(キャスト・スタッフと)ファミリーになっていますので、このチームと別れるのはさみしいですね。普段あまりこういう気持ちになることはないんです。それだけ思い入れの深い作品になりました。本当に現場の雰囲気もチームワークも良かったですし、なにより宮藤さんが書いてくださったおもちゃ箱のような作品で、どれだけ遊べるか、どうやったら楽しく視聴者に届けられるかというのを楽しみながら作ることができたのは、役者人生の一生の宝物になりました。本当に1年半、ありがとうございました!」と撮影を振り返った。
一方、9月30日深夜にクランクアップした阿部さんは「田畑政治のことが好きなので、まだやっていたいという気持ちもあります。自分がテレビドラマで関わった日数としては一番多いと思うんですけれど、なんだかあっという間でした。それはたぶん田畑の周りがめまぐるしく変わっていくからだったんだと思うんですよね。ずっと一緒にいた方は少ないんですけれど、関わった役者の数がものすごかった。中でも治五郎さんとのシーンが思い出に残っています。今日最後の撮影でもふと頭をよぎりました。宮藤さん、すてきな作品をありがとうございました。皆さん本当におつかれさまでした。楽しかったです」と話している。
宮藤官九郎さん脚本のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第37回「最後の晩餐(ばんさん)」(9月29日放送)に、星野源さん扮(ふん)する平沢和重が初回(1月6日放送)以来の再登場を果たす。
嘉納治五郎(役所広司さん)は開催が決定した1940年東京オリンピックの準備を進めるが、日中戦争が始まった日本ではオリンピック反対論が湧き起こる。理想のオリンピックとは程遠い状況に激しく葛藤する田畑政治(阿部サダヲさん)の元を金栗四三(中村勘九郎さん)が訪ねる。
オリンピックへのあふれる思いを語り合う田畑と金栗。一方、嘉納はエジプトでのIOC総会に参加し、日本開催を危ぶむ声を封じ込める。帰国の船で乗り合わせた外交官の平沢和重(星野さん)に、自らの夢を語るが……。
星野さん演じる平沢は、ニューヨーク領事などを歴任後、外務省を退官。NHK解説委員になり、26年間にわたってニュース解説を担当。妥協を許さない仕事人間だが、分かりやすい語り口とシブい雰囲気でお茶の間のマダムキラーの一面もある。1964年オリンピックの開催地を決めるミュンヘンIOC総会で最終スピーチの大役を任される。
星野さんは「嘉納治五郎を演じる役所さんの収録も終盤だったので、送り出すムードが現場にありました。治五郎さんは初回からほぼ毎回出られていて、撮影期間も長い。スタッフの皆さんもそうですし、ご本人にも『終わるな』という感じがあって、その空気が大河ならではというか、1年間の重みを感じました。平沢は何も知らずにたまたま治五郎さんに出会っただけなんですけれど、『面白いことをやるんだ』という感じが真に迫るものがあって。思いを託されたというか、後に平沢さんがなぜ招致のスピーチ(第1回で登場)を引き受けたのかという理由が分かった気がします」とコメントしている。
宮藤官九郎さんが脚本を手掛けるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第36回「前畑がんばれ」が9月22日に放送される。前週第35回「民族の祭典」で1936年のベルリンオリンピックが開幕。4年前のロサンゼルスオリンピックの雪辱を期す前畑秀子(上白石萌歌さん)が、悲願の金メダルを懸けて女子200メートル平泳ぎ決勝に挑むが、その一方で、ヒトラー率いるナチス・ドイツの存在もクローズアップされている。同回で演出を担当した大根仁監督に話を聞いた。
◇ベルリン五輪は“ナチスの大会” ドイツのヒトラー役俳優をオーディションで
第二次世界大戦前夜、ドイツが威信を懸けて開催した1936年のベルリンオリンピック。その様子は記録映画「オリンピア」(邦題は「民族の祭典」ほか)として残され、ドラマ本編にも使用されている。
大根監督は「ベルリンオリンピックというのは“ナチスの大会”と言われるくらいプロパガンダ色が強い大会。映像が鮮明に残っているのもこの大会からで、『民族の祭典』という映画にはヒトラーの姿がばっちり映っている。ただ、ナチスが牙をむく前なので、ヒトラーの演出をどうするかは悩みましたね」と話している。
第36回にも登場する“独裁者”ヒトラーの印象は「ヒトラーの顔を知らない人はいないのではないかというくらい、強烈な存在」で、今回、演じる役者はドイツで活躍する「ヒトラー俳優」の中からビデオオーディションで選出した。
◇狙ったのは「人間・ヒトラー」 “まーちゃん”との共演シーンでは…
「ヒトラー役をよくやっている役者さんが何人かいて。その方たちをビデオオーディションしまして、その中から選びました」と話す大根さん。
その上で、「今の僕らの感覚で、“ザ・恐怖”の対象としてヒトラーを撮ればいいのかどうなのかっていうのが悩んだところ。この頃のヒトラーは国民から圧倒的な支持を得て、首相になった。だから悪魔のように描くのは違うんじゃないかって。当時の文献を読んだり、資料で調べたり、あとはナチスの監修者と話した上で、わりと血の通った、人間味が出るようにヒトラーを演出してみました」と振り返っている。
また、“まーちゃん”こと田畑政治(阿部サダヲさん)が、ヒトラーと対面するシーンもあるが、「完全なフィクションで、ある種、荒唐無稽(むけい)に見えるシーンではあるのですが、今回のヒトラーに関していえば、あそこをどれだけ説得力を持って見せられるか気を使いましたし、阿部さんとも話し合ったところ」と話す。さらに、田畑が図らずも、ヒトラーを前にし「ナチス式敬礼」の手の形になってしまうシーンについては、「台本には元々なかったんですけど、リハーサルでヒトラーと長く握手をした後に偶然、手が残ってしまうというのがあって。体がこわばって動けなくなる様子が伝わると思い、採用しました」と裏話を語った。
◇前畑役の上白石萌歌は「すごく頑張ってくれました」
アナウンサーの河西三省(トータス松本さん)の名実況「前畑がんばれ」でもおなじみ、前畑秀子役の上白石さんの印象も聞いた。
「上白石さんについて言うと、彼女自身、自分の線の細さはとてもメダリストに見えないと感じていて、まずは肉体改造を。体重を自ら7キロ増やして、泳ぎも特訓し、日焼けサロンに通ったりして、水泳選手のフォルムを作るところからやっていった。現場で僕はとにかく頑張れとしか言えなくて。『頑張れ! 頑張れ!』って」と笑う。
第36回では、そんな上白石さん演じる前畑が、大一番の前夜に自身に寄せられる「頑張れ」という声援を受け入れるシーンがある。
同シーンについて、大根監督は「感激した」と告白。「上白石さんすごく頑張ってくれました。泳ぎのシーンも平場のシーンもそうだったんですけど、一番、感激したのは亡き両親との対面シーン。この超展開とせりふを説得力を持って演じられるというか、あそこで感動に持っていけるというのはすごいなって思いましたし、自分でもホロッとしました」としみじみ。演出らしい演出はなかったといい、「いつも僕は立ち位置を確認するくらいで、大したことは言っていないんですよ」と語った。
◇自分を追い込んだトータス松本 “ラスト50メートル”はミュージシャンに?
さらに“翌日”の決勝レースで「前畑がんばれ」を連呼することになる河西役のトータスさんについては「今回、誰よりも自分を追い込んだのはトータスさん」と断言する。
「実際にプールでみんなに泳いでもらい、それを見ながら実況してもらったんですけど……。うまくいかなかった部分は、スタジオに実況ブースだけ作って撮り直したり、そのあとの音の仕上げ作業でも、録音ブースで同じテンションでやってもらった。シーン丸々3回分くらい、計1000回くらい『頑張れ!』を言っていると思います(笑い)。ラスト50メートル、前畑が最後のターンをしてから、実況ブースから体ごと前に乗り出して『頑張れ!』というのはトータスさんのアドリブなんですが、さすがミュージシャンを感じせるシーンになった」とトータスさんの“頑張り”に感謝していた。
宮藤官九郎さん脚本のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に脚本家の三谷幸喜さんが出演する。映画監督の市川崑監督を演じる。
1964年の東京オリンピック公式記録映画「東京オリンピック」総監督を務めた市川崑監督。黒澤明監督に代わり、急きょ「東京オリンピック」の監督に就任し、「記録映画も美しく撮ればいい」の言葉どおり、完成した作品は極めて芸術性の高いものとなり、当時の興行記録を塗り替える大ヒットとなる……という役どころだ。
さらに、日本建築界の巨匠・丹下健三役で松田龍平さん。東京オリンピック組織委員会会長・津島寿一役で井上順さん、内閣総理大臣・池田勇人役で立川談春さん、「東京五輪音頭」が大ヒットする歌手・三波春夫役で浜野謙太さん、黒澤明監督役でバンド「怒髪天」の増子直純さん、田畑政治の娘・あつ子役で吉川愛さんの出演も発表された
そのほか、東京五輪の最終聖火ランナー・坂井義則役で井之脇海さん、国立競技場のすぐそばにある食堂「水明亭」の店主役でカンニング竹山さん、グラフィックデザイナーの亀倉雄策役で前野健太さん、東京オリンピック選手村の料理長・黒田大輔役で村上信夫さん、東京オリンピック組織委員会選手強化本部・副本部長の大島鎌吉役で平原テツさん、国旗のスペシャリストで組織委員会式典課の吹浦忠正役で須藤蓮さん、ボランティア通訳・大河原やす子役で川島海荷さん、航空自衛隊パイロットの松下治英役で駿河太郎さんも登場する。
また、ドラマの初回に登場したお笑いトリオ「東京03」の角田晃広さんの役柄がタクシー運転手・聖火リレー踏査隊員の森西栄一であることも明らかにされた。
宮藤官九郎さん脚本のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第35回「民族の祭典」が9月15日に放送され、女優の杉咲花さんが再登場した。自身が演じてきたシマの娘りく役で、SNS上は「胸熱…」「今日は冒頭から持ってかれました」「りくちゃん!(もう泣いてる)」「なんでいきなり号泣させる?」「顔を見た瞬間に泣けた」といった視聴者からの言葉が並んだ。
シマは三島家の元女中で、日本女子スポーツの先駆けとなる人物。女性の社会進出にも理解がある増野(柄本佑さん)と結婚し、2人の間には長女りくが生まれ、幸せな日々を送っていたが、その矢先、関東大震災に巻き込まれて行方不明に……と展開した。
そのシマの娘りくの“成長した姿”として杉咲さんが今回、再登場。「ああああああ」「事案発生! 事案発生!」「シマちゃん、生きとったんかい!!」「りくちゃん!?」「りくちゃんでした!」と驚きの声が多数上がったほか、「あのりくちゃんが、大きくなって…」「りくちゃん、お母さんそっくり」「りくちゃん…シマちゃんの面影が…あばば号泣」と視聴者は感慨に浸っていた。
宮藤官九郎さん脚本のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第35回「民族の祭典」が9月15日に放送され、女優の杉咲花さんが再登場した。自身が演じてきたシマの娘りく役で、杉咲さんは「夢のようでした。大好きな『いだてん』の現場にまだまだいられる!という喜びが一番大きかったです」とコメントを寄せた。
シマは三島家の元女中で、日本女子スポーツの先駆けとなる人物。女性の社会進出にも理解がある増野(柄本佑さん)と結婚し、2人の間には長女りくが生まれ、幸せな日々を送っていたが、その矢先、関東大震災に巻き込まれて行方不明に……と展開した。
そのシマの娘りく役で再登場した杉咲さんは、撮影現場で金栗四三(かなくり・しそう)役の中村勘九郎さんと再会を果たした際の心境を「劇中で、シマと四三さんは同志、りくと四三さんはいとこのような関係性なのかなと個人的に思っていました。休憩時も含め、りくとして現場にいさせていただいて、感覚的な距離感としても、よりそういう関係性に変わっていたような気がして、すごくうれしかったです」と明かす。
また、シマとりくとの演じ分けについては「最初の方は自分で演じていてもシマみたいになってしまっている気がする、と苦戦することが多かったのですが、演じていくうちに、りくはシマより少し控えめな女の子ということが分かった気がしたので、そこを一番心がけました」と話した。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に女優の安藤サクラさんが出演する。安藤さんは“東洋の魔女”の異名をとった女子バレーボール日本代表チームの主将・河西昌枝を演じる。
そのほか俳優の浅野忠信さんが自民党幹事長で、初のオリンピック担当大臣の川島正次郎役、お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さんが1964年東京五輪・女子バレーボール日本代表監督の大松博文役で出演することも発表された。安藤さん、浅野さん、徳井さんは共に今回が初の大河ドラマ出演となる。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に五輪競泳の金メダリスト北島康介さんが出演することが分かった。北島さんがドラマに出演するのは初めてで、“フジヤマのトビウオ”と異名をとった国民的ヒーローの水泳選手・古橋廣之進(ふるはし・ひろのしん)を演じる。第40回(10月20日放送)に登場する予定。
古橋廣之進は、小学生のときから数々の記録を塗り替え、「豆魚雷」と呼ばれる。敗戦国の日本は1948年ロンドン五輪に参加できなかったが、田畑政治が同日程で開催した日本選手権に自由形で出場。ロンドン五輪の金メダリストの記録を上回る世界新記録を樹立し、一躍、極貧に苦しむ日本の国民的ヒーローとなった。古橋の泳ぎは国境を越えて勇気と感動を与え、米国の新聞は“フジヤマのトビウオ”と称賛した。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第26回「明日なき暴走」が7月7日に放送された。同回の“主人公”となったのは、日本人女性初のオリンピック選手・人見絹枝(菅原小春さん)。女子陸上が正式種目になったアムステルダム五輪に出場した絹枝の、苦悩や葛藤、喜びが描かれ、視聴者の感動を呼んだ。
岡山の女学校で始めたテニスで圧倒的な強さを誇り、陸上競技でも抜群の身体能力で世界記録を次々と塗り替えた絹枝は、初の日本人女子選手としてアムステルダム五輪に出場するも、プレッシャーに押しつぶされ、期待された100メートルで惨敗してしまう。
このままでは日本の女子選手の夢や未来が絶たれてしまうと、絹枝は未経験の800メートルへの挑戦を決意。ロッカールームで「男は負けても帰れるでしょう。でも女は帰れません。負けたらやっぱり女はダメだ。男のまねして走っても役に立たないと笑われます」と思いをぶちまけ、「お願いします。やらせてください」と出走を直訴。本番では激走を見せ、見事に銀メダルを獲得する……という展開だった。
SNSには「この女優さん知らなかったんだけどすごい女優さん」「見入ってまう。さぶいぼ出てきた」「ほんとにお芝居初めてなの? すごいよ、この感情表現」「菅原小春さんの気迫ある演技に、テレビの前で鳥肌」「小春さんすごすぎて涙。人見絹枝さんが歴史の人じゃなく、身近に感じられる」と、演技初挑戦となった菅原さんの涙の懇願に心揺さぶられる視聴者の声がみられた。
さらに絹枝が800メートルを2位でゴールし、銀メダルが決まると、「もう号泣なんですけど!」「結果が分かっているのに感動してる」「涙腺決壊回だった」「人見絹枝さんの偉業に、そして菅原小春さんの演技に涙が止まらない」「人見絹枝さんの神回。菅原千春さんの演技に大感動」といった声が続々と上がった。
また同回は「3年後、人見絹枝は24歳の若さでこの世を去ります」とのナレーションで締めくくられ、「ラストの一言……」「えーーー! そんな……」「なんでや……」「衝撃のナレーション」「史実は残酷だ……」といた反応も多かった。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第26回「明日なき暴走」が7月7日に放送される。同回の“主人公”となるのが、日本人女性初のオリンピック選手・人見絹枝だ。演じているのは、世界的ダンサーの菅原小春さん。ドラマには6月9日放送の第22回で初登場すると、今作が演技初挑戦とは思えないほどの存在感を発揮。第26回では初めてアムステルダムオリンピックに出場した絹枝の苦悩や葛藤、喜びまでを見事に体現している。絹枝役について「魂を燃やしてやりたいって思った」と明かす菅原さんと、演出を手掛けた大根仁さんに撮影の舞台裏について聞いた。
◇第26回ハイライトのロッカールームシーン 絹枝の涙…何か別の力が働いた?
岡山の女学校で始めたテニスで圧倒的な強さを誇り、陸上競技でも抜群の身体能力で世界記録を次々と塗り替えた絹枝は、女子陸上が正式種目になったアムステルダム五輪に出場するも、プレッシャーに押しつぶされ、期待された100メートルで惨敗してしまう。このままでは日本の女子スポーツの未来が閉ざされてしまう……。
ここで絹枝は未経験の800メートルへの挑戦を決意。ロッカールームで出走を直訴するシーンが第26回のハイライトだ。
絹枝の流す涙は、菅原さんの涙そのもので、まるでドキュメンタリーを見ているかのように胸に迫るものがある。菅原さんは「私はお芝居に対して無知なので、お芝居で泣くっていうことがよく分からない。だから、何かを作り込んだっていうよりかは、人見さんのことを思ったら、ああいうふうになっていました」と振り返る。
一方、大根さんはというと、ロッカールームのシーンを撮っていて「これは自分の力を超えたとんでもないものが出来上がるなって確認した」という。
呼び水になったのは当然、菅原さんの魂の演技で、「これまで300を超えるドラマを撮ってきたので、台本を読んだときや現場でも『大体このくらいの感じになるな』って良くも悪くも分かってしまうんですけど……。それでも10年に1本くらいの確率で『これはとんでもないものが出来上がるかもしれない』となる時がある。それなりに経験を積んできた中でも2、3本あるくらい。自分の実力、演出力を超えてしまう瞬間。僕は『神回』って言葉は好きじゃないんですけど、何か別の力が働いて出来上がったように感じました」と認めている。
◇私はいつも自分のことを孤独な人間と感じていて…
また同回は、人見絹枝という一人の女性が、日本女子スポーツの未来を切り開くだけでなく、コンプレックスを力に変えて、自分の居場所を見つける物語にもなっている。
菅原さん自身も「私はいつも自分のことを孤独な人間と感じていて、自暴自棄になることもあった。すごく泣くし、ストイックに自分を追い込んでしまって、犬が自分のしっぽを追いかけるように、同じ場所をぐるぐると回っているような時期もあったんです。でも、自分も(誰かを)頼ればいいんだってことに気づいてから、笑えるようになった。それは人見さんの人生を演じながら感じたことで、このドラマの撮影でも居心地の良さを感じました」と話している。
また、役を演じることを「面白い」と感じたという菅原さん。今後の女優業については「女優さんは女優さんで素晴らしいプロフェッショナルな人がいて。私は私で人見さんのように共鳴できる人に出会えたとき、またチャレンジできたらと思います。私の魂を燃やす意味が見いだせて、私の体と心を通して何かを伝えたいってなった時に、またやりたいです。今回がまさにそういう役だったので……」と語っていた。
◇スペシャル動画「~伝説の女性アスリート・人見絹枝の激走~」も公開!
「いだてん」は、日本人五輪初出場の明治末から、東京に五輪がやってきた1964年までの約半世紀を描くオリジナルストーリー。テーマは「東京とオリンピック」。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶり。
ドラマの公式サイトとNHKの公式YouTubeチャンネルでは、「~伝説の女性アスリート・人見絹枝の激走~」と題した、第26回「明日なき暴走」のスペシャル動画が公開されている。
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第24回「種まく人」が6月23日に放送され、金栗四三(中村勘九郎さん)が主人公の第1部が完結した。
この日は、関東大震災に巻き込まれ、行方が分からないままのシマ(杉咲花さん)が、以前、人見絹枝(菅原小春さん)に送っていた手紙が登場。のちに日本人女性初のオリンピック選手となる人見と、女子スポーツへの思いが語られると、SNSでは「シマちゃん先生の手紙、涙で画面が見えぬ」「シマちゃん先生のこの手紙はずるいよなあ(泣)」「シマちゃんの手紙なんて、号泣やないですか!」「シマちゃん先生の手紙でガン泣き」などの声が上がり、視聴者の涙を誘った。
また復興運動会の最中にシマは、教え子の富江と、女子スポーツの未来を託した人見が競走する姿を見つめる“幻影”としても映り込み、視聴者はさらに涙したようだ。
さらに運動会のラストを飾る、オリンピック出場選手による徒競走では、三島弥彦(生田斗真さん)が突如、参戦するという展開もあった。「三島天狗ー!!」「キャー!三島天狗ー! TNG! TNG!」「三島天狗きたーーー!!」「痛快男子のさっそうたる登場しびれるわ」「やっぱり三島天狗が持っていった!」「最後に三島天狗が出てきたのも華添えた感。1部楽しかった!」などの感想が寄せられていた。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第24回「種まく人」が6月23日に放送され、金栗四三(中村勘九郎さん)が主人公の第1部が完結した。四三役の勘九郎さんは、「振り返ると、初回からここまで『とにかく走っていたな』という感じです。常に走り続けている人でした」としみじみしつつ、「第2部も時々顔を出しますが、やっぱり走っています(笑い)。ドラマの中心は阿部サダヲさん演じる田畑政治に移りますが、金栗四三はこれからも走り続けていきます」と宣言した。
第24回は、関東大震災で壊滅状態の東京が描かれた。治五郎(役所広司さん)の作った神宮外苑競技場は避難所として人々を受け入れ、そこで富江(黒島結菜さん)ら女学生は傷ついた人々の救済に尽力する。四三は心配する熊本のスヤ(綾瀬はるかさん)や幾江(大竹しのぶさん)の元に短期帰省。援助物資として食料を譲り受け、神宮で復興運動会を開催してスポーツで人々を元気づけるアイデアを思いつく。「復興節」の歌がはやり、孝蔵(森山未來さん)の落語が疲れ切った人々に笑いをもたらす……という展開だった。
勘九郎さんは「多くの挫折を乗り越えた金栗さんですら関東大震災の現状に耐えきれず熊本に帰ってしまいましたが、そこで義母の幾江さんからの喝や家族の大きな愛で目覚め、本当の“いだてん”になりました。金栗さんには走ることしかないから、みんなに元気や笑顔を取り戻すために走って、走って、走った。そこにすごく共感しました」と明かす。
さらに「東日本大震災が起きた時、『こんな時に芝居をしていて良いのかな』とすごく思いましたが、『これしか自分たちにはない』『ここで今、来ているお客様たちに楽しんでいただければ、笑顔の輪が広がっていくのでは』と信じて、芝居を続けました。それが、金栗さんにとっては走ることだった。一緒だなと思いました」と思いを重ねていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第23回「大地」が6月16日に放送され、関東大震災から驚愕(きょうがく)のラストまで、怒濤(どとう)の展開を見せた。
第23回では、四三(勘九郎さん)の解雇に反対し、教室に立てこもった富江(黒島結菜さん)ら女学生たち。シマ(杉咲花さん)の提案で、富江は父の大作(板尾創路さん)と駆けっこ対決することに。一方、治五郎(役所広司さん)はスポーツが育ってきた東京でオリンピックを開催できるよう神宮外苑競技場の完成を急ぐ。その頃、孝蔵(森山未來さん)とおりん(夏帆さん)夫婦は、貧乏と孝蔵の酒浸りの生活のせいで破局寸前に。そんな折、関東大震災が発生! 混乱の中で孝蔵は妻を……。
宮藤さんといえば、2013年度前期の連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」で、2011年3月11日に発生した東日本大震災を描いたが、今回の「いだてん」でも、燃えさかる街や凌雲閣の倒壊など、関東大震災の惨状を画面で伝え、SNSでは「胸がつまる」「放心……」「まだ泣いてます」のほか、「『あまちゃん』でも逃げなかったクドカンが、今回も徹底的に逃げずに書いた」「クドカン描く2度目の震災。『あまちゃん』以来だがやっぱり息ができない」「ここまで地震を描くとは、さすがクドカン」「すさまじい回」といった声が上がるなど、視聴者も高く評価。
またこの日のラストでは、志ん生(ビートたけしさん)の弟子の五りん(神木隆之介さん)の正体が、ある一枚の写真から明かされると、「うわああ! すげぇ!! こことここがつながるの」「そうゆうことかーー!!」「全身鳥肌!!」「今回みたいのを“神回”って言うんじゃねえの?」「やっぱりクドカン、すごい」「もう、鳥肌は立つし、胸は締め付けられるし、すごい回だった」と、改めて宮藤さんの脚本に称賛の声が集中した。
「いだてん」は、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ半世紀を描くオリジナルストーリー。テーマは「“東京”と“オリンピック”」で、大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶり。勘九郎さんが日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三(かなくり・しそう)、阿部サダヲさんが「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者の田畑政治(たばた・まさじ)を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。
次週23日は、第1部最終回となる第24回「種まく人」が放送される。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に、金栗四三(中村勘九郎さん)の教え子の女学生・村田富江役で出演している黒島結菜さん。6月9日に放送された第22回「ヴィーナスの誕生」では、富江が女子スポーツに理解のない父の大作(板尾創路さん)を含む“男たち”と、四三の解雇を巡って対立。他の女学生を扇動し、教室に立てこもると、自らが“旗振り役”となり、抑圧された女性を代表して自由を訴える姿が描かれた。同シーンを、フランス7月革命を題材としたウジェーヌ・ドラクロワによる絵画「民衆を導く自由の女神」と重ねる視聴者もいたが、劇中で凛(りん)とした美少女ぶりを披露している黒島さんに役やドラマへの思いを聞いた。
◇富江ら女学生が受けた抑圧…「そんな時代もあったんだという驚きがあった」
富江は、四三とシマ(杉咲花さん)が教える名門校・東京府立第二高等女学校(通称・竹早)の生徒。当初は「人前で肌をさらすなんて!」と四三に反発するが、徐々にスポーツの楽しさに目覚め、テニスや陸上競技で頭角を現す。自分でデザインしたユニホーム姿も話題になり、一躍、運動界のアイドル的な存在になるが、そのことで厳格な父・大作を怒らせることに……。
同じNHKで2017年に放送された連続ドラマ「アシガール」でも、戦国の世へタイムスリップした女子高生として“疾走”していた黒島さん。「『アシガール』で走っていたのは、山道とか川の中。しかも足元は草鞋(わらじ)でした。でも『いだてん』では、靴下をはいているし、足元はスパイク。場所もグラウンドなので、私の中ではレベルアップした感覚です」と笑顔を見せる。
一方、幼い頃からスポーツに慣れ親しみ、男子と同じように女子もスポーツをすることに対して「何の疑問も抱かなかった」という黒島さんは、劇中で富江らが受けた抑圧については「そんな時代もあったんだという驚きがあった」という。
第22回で富江は、女子のスポーツの大会に出場した際、靴下を脱ぎ捨て、さっそうと走る姿を披露したが、やがて、それが大きな騒動に発展する。
黒島さんは「今は女子スポーツで活躍されている方が世界中にいて。マラソンではおへそを出して走ったりもしていますが、あの時代からは考えられないこと。もし、当時の人が現代にタイムスリップしてきたら、ものすごい衝撃を受けるでしょうね」としみじみ。その上で「昔の人のスポーツに対する考え方を知って、こういったことがあったから、今につながっているんだということを実感できて、この役を演じることができて良かったです」と振り返っていた。
◇四三パパと女学生たちの関係「すごくいいな」 本番では「涙が止まらなくなり」
劇中では富江をはじめ、女学生たちが、四三を「パパ」と呼ぶ姿が描かれた。これは史実通りで、「単なる“先生と生徒”というだけでないそんな関係性はすごくいいな」と声を弾ませる黒島さんは、「一生懸命ぶつかってきてくれるので、こっちも思いが伝えやすいですし、高校時代に何でも話せる仲のいい先生がいたことを思い出しました。昔の先生はとても偉くて、生徒から遠い存在というイメージがありましたが、当時もこういうふうに接してくれる先生がいたことを知り、うれしくなりました」と明かす。
第22回では、そんな四三パパが富江をかばい、女子スポーツに理解のない“男たち”を前に「あなたたちのような人がいるから、女子スポーツが普及しない」と熱弁をふるうシーンがあり、多くの視聴者の胸を熱くさせた。後の“立てこもり”、さらに第23回「大地」(6月16日放送)の富江と大作の父娘・かけっこ対決へとつながる重要なシーンとなったが、黒島さんは「実はあの場面、泣いてしまったんです」と告白する。
本番前のテストでは「『先生、その通り!』と思いながらも、普通に聞いていたのですが、本番になったら(四三役の)勘九郎さんが、テストをはるかに上回る熱量でしゃべり始めて……。それを見ていたら、涙が止まらなくなり、思わず拍手までしてしまいました」と照れ笑い。さらに「それぐらい勘九郎さんのお芝居から、真っすぐな気持ちが伝わってきました。こんなふうに、本番中であることを忘れるような経験はめったにないので、そういう現場にいられたことが、とてもうれしかったです」と語っていた。
大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」は全47回。NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第19回「箱根駅伝」が5月19日に放送される(NHK総合で日曜午後8時ほか)。同話では、今では正月の風物詩となった箱根駅伝の誕生秘話が描かれ、箱根駅伝に出場経験がある早稲田大学出身の瀬古利彦さんや日本体育大学出身の谷口浩美さん、また青山学院大学陸上競技部の原晋監督が箱根駅伝の思い出やドラマの感想などのコメントを寄せた。
第53~56回大会に出場した瀬古さんは、箱根駅伝での一番の思い出は「4年生のときの最後の1キロで、中村清監督が『卒業のみやげに』と伴走車から仁王立ちで校歌を歌ってくれたこと」と振り返り、「母校を背負って走る重みを身にしみて感じた瞬間でした。また、このときモスクワオリンピックの出場がほぼ内定し、メダリスト候補と期待されていたこともあり、沿道からも大声援をいただきました。とめどなくあふれる涙を拭いながら、タスキをつないだことは今でも忘れられません」と語っている。
駅伝の経験について、「自分を強くしてくれましたし、一人ではできないことをチーム全員で切磋琢磨(せっさたくま)し合い、そうして築いた絆は人生の財産になっています。あのときの仲間たちと会うと、いつも箱根駅伝や厳しかった中村清監督の話題になります」と振り返る。
また、ドラマについては「金栗四三さんの素朴で真面目なところは長距離選手そのもので、短距離選手・三島弥彦さんの華やかさとの対比もよく描かれています。そして、金栗さんが取り入れていた砂浜での耐暑訓練は、僕も実際に行っていたので驚きました。『いだてん』は共感することが多くあり、見ていて本当に楽しい」と話し、「駅伝がなければ日本のマラソンはこんなに発展していません。そんな日本マラソンの原点ともいえる箱根駅伝の第1回大会のドラマですから、テレビの前で正座して見たいと思います」と話している。
第57~59回大会に出場した谷口さんは、箱根駅伝について「朝早くのスタートで、寒さへの準備が大変でした。また、道路が凍っていないかなど、気象条件を気にしていました。3年次と4年次で区間新を連続で更新し、更新の内容が非常にマラソンに取り組むための財産となりました」と回顧。
ドラマで第1回箱根駅伝の誕生が描かれることについては「知らないことを教えてもらう絶好の機会だと捉えています」と語っている。
また原監督は、箱根駅伝について「16年前、縁もゆかりもない、25年以上箱根駅伝出場から遠ざかっていたチームの強化に乗り出した、青山学院大学陸上部の監督に就任するため広島から上京してきた。私と妻は人生を懸けプロジェクトに挑んだ。今では部員数50名を超え、学生三大駅伝10冠する強豪チームへと成長し感慨深いものがある。まさしく青春ドラマである。そのドラマは箱根駅伝がある限り続くだろう」とメッセージを寄せている。
「いだてん」は、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年までの約半世紀を描くオリジナルストーリー。テーマは「東京とオリンピック」。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、86年の「いのち」以来33年ぶり。中村勘九郎さんが日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三、阿部サダヲさんが「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者の田畑政治を演じ、リレー形式で主演のバトンをつなぐ。
第19回「箱根駅伝」は、フランスから治五郎(役所広司さん)の元に届いた手紙には、ストックホルムから8年ぶりにアントワープオリンピックが開催されるというニュースが書かれていた。新しい「箱根駅伝」の構想に力を注ぐ四三(勘九郎さん)だったが、やはりオリンピック開催こそ待ち望んだもの。遠い熊本で離れて子育てに励むスヤ(綾瀬はるかさん)を訪ね、次こそ金メダルをとって引退し、家族と暮らす約束をする。しかし、マラソンがアントワープ大会の正式種目に含まれていないことが判明し……という内容。
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で、阿部サダヲさん演じる、第2部の主人公・田畑政治(たばた・まさじ)らが通うバー「ローズ」のママで占いをたしなむマリーを大河初出演の薬師丸ひろ子さん、第29代内閣総理大臣の犬養毅を塩見三省さんが演じることが5月17日、分かった。2人は、宮藤さんが脚本を手がけた2013年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」にも出演している。
同日、東京・渋谷のNHKで開催された、新キャスト発表会見に出席した薬師丸さんは、「すてきなバーのママ役をいただいたわけもなく、『ばばあ』と散々な言われ方をするんですけど、阿部さんの田畑が反感を買わないよう、どう演じるかと余計なことを悩みました」と笑顔で明かし、「田畑が占いによって、自分の人生を考え直すきっかけになると聞いている」と語ってた。
また、「あまちゃん」でも制作統括を務めた訓覇圭チーフ・プロデューサーは、薬師丸さんをキャスティングした理由について「僕も宮藤さんもよく知っている人。あまり当たらない占いをするので、外れて可愛い人がいいなと思いました」と明かし、塩見さんについては「ご活躍されていたので、どこかでご一緒したいと思っていました。犬養さんは最後『人と話せばわかり合える』という生き方をしていた人なので、塩見さんの何かが移ればと思いました」と語っていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で、第2部の主人公・田畑政治(たばた・まさじ)を演じる阿部サダヲさんが5月17日、東京・渋谷のNHKで開催された、新キャスト発表会見に出席。今年3月に亡くなった萩原健一さんが内閣総理大臣のほか、7度にわたって大蔵大臣を歴任した大物政治家、高橋是清役で出演することが発表され、萩原さんと初共演した阿部さんが、思いを語った。
阿部さんは「病気に気づかないぐらいの感じでした。リハーサルで、ショーケンさんがアドリブで(阿部さんの頭を)たたかれたんですけど、それが本番でも使われています。最後にショーケンさんにたたかれた役者になって、すごくうれしかったです」と感慨。「お芝居に対して真剣に取り組んでいて、信じられなかったです」と、沈痛な面持ちで語った。
また、制作統括の訓覇圭チーフ・プロデューサーは、萩原さん演じる高橋是清について「第2部に変わって、田畑が一番最初に遭遇する、格が違う大物。格と、違う次元を表現するのが難しく、やってくれないかと声をかけました」と明かし、「実在の人物になりきるというアプローチがある中で、『今回は自分の存在も見えるような、萩原健一の生身を見える造形でやっていいか』と言われました。何かを残そうと思ってなのか、そんなことを覚えています」と語っていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の新たなキャストが5月17日、東京・渋谷のNHKで発表された。会見には、第2部の主人公・田畑政治(たばた・まさじ)役の阿部サダヲさんとともに、麻生久美子さん、桐谷健太さん、薬師丸ひろ子さん、リリー・フランキーさん、加藤雅也さん、塚本晋也さんの新キャスト6人が登場。さらに、塩見三省さん、シソンヌ・じろうさんの出演も発表された。
麻生さんは田畑の妻・菊枝、桐谷さんは新聞社の同僚、河野一郎、薬師丸さんはバー「ローズ」のママで占いをたしなむマリー、リリーさんは、田畑の上司で政治部長の緒方竹虎、塩見さんは第29代内閣総理大臣の犬養毅、加藤さんは外交官でIOC委員の杉村陽太郎、塚本さんは伯爵でIOC委員の副島道正、じろうさんは新聞記者の尾高をそれぞれ演じる。
第2部は日本泳法に始まった黎明(れいめい)期から日本が世界一の水泳大国になっていく栄光の物語と共に、戦争により変容していくオリンピックの歴史を劇的に描く。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第17回「いつも2人で」が5月5日放送される(NHK総合で日曜午後8時ほか)。1915年、戦争でベルリンオリンピックの開催中止が決定し、選手としてピークを迎えていた四三(中村勘九郎さん)は激しく落ち込む。ふさぎ込む姿を野口(永山絢斗さん)らが心配する中、熊本からやってきた妻のスヤ(綾瀬はるかさん)は、四三の無念を受け止め……。
ここで四三は、スヤと夫婦として共に痛みを分かち合い、スヤの愛を力に再び走り出す。四三の再起に刺激を受けた治五郎(役所広司さん)は、明治神宮にスタジアムを作る目標を立てる。やがて彼らは、東京~京都間の東海道五十三次を全国の健脚たちと共に走る構想を思いつく。これが「駅伝」誕生の瞬間だった。
宮藤官九郎さんが脚本を手がけるNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で、若き日の志ん生こと美濃部孝蔵を演じている森山未來さん。3月31日放送の第13回「復活」では、泥酔した状態のまま初めて高座に上がり、“完走”はできないながらも激しい身ぶり手ぶりで迫真の「富久」を披露する孝蔵を熱演した。だが、役作りでは「浅草に住んだ方がいいのか」と悩むこともあったという。森山さんに、役作りや撮影エピソード、話題を集めた“語り”などについて聞いた。
◇孝蔵の役作りに「すごく悩んだ」 話題のナレーションは「モテキ」のおかげ?
これまでは車夫としての姿が目立っていたが、第13回「復活」ではついに初高座を経験した孝蔵。いよいよ落語家として本格的なスタートを切った。そんな孝蔵を演じるため、どのような準備で臨んだのか。森山さんは「ラジオやレコード音源、テレビの映像などの資料はあるけど、どれも晩年の姿。皆さんが知っている古今亭志ん生は、だいたい(19)70代のころの姿で、戦前がどうだったかはあまり知られていないんです。かろうじて若かりしころの志ん生を知っている人の言葉から、推測するしかない」と説明。「架空と史実の間みたいな存在。だからとにかく文献を読んだんです」と準備を明かす。
浅草の下町に住む孝蔵を演じるため、浅草には頻繁に足を運んでいたという。「『打つ・買う』はやらないので、(その代わり)浅草方面にはずっと行っていましたし、寄席を見ることも続けていました」と語る。通うだけではなく、「浅草に住んでみた方がいいのか」とまで考えた。「悩んだんですよね。でも、映画『苦役列車』のときのように、(役作りのために)住み込んで……ということは、やらなかった。そういうことを最近はやらなくなったかなと思います。それより『どれぐらい自分のままでそこにいられるか』という気持ち作りの方が大事」と心境の変化を明かす。
初めは「まずい落語といい落語の違いが分からないぐらい素人だった」という森山さん。志ん生を演じる上では「落語というより、話し言葉をどう考えたらいいのかなと思いました」という。「まず、関西人と関東の人の気質が違う。いくら江戸前の言葉で話をしようと、僕はメンタルが関西人なので。人との関り方、生き方の形が多少違うので、すぱっと歯切れのいい感じが出せる気にならないという思いがあって、そこは気にしました」と振り返り、「孝蔵は浅草の下町っ子、という設定だけど、僕なりのアプローチでできる方法が見つけられた方が面白いのかな」と語る。
第13回では、レース本番で途中棄権した金栗四三(中村勘九郎さん)が再び走り出す姿に重なるように、森山さんも途中で力尽きたものの、車夫としての経験を生かした勢いのある迫真の「富久」を2分以上にわたって演じてみせた。孝蔵の前半の最大の見せ場となるシーンだ。森山さんは「上手にやろうというより、酔っ払いの勢いと熱量、初めて高座に上がる緊張、そして変な突破の仕方をしちゃう孝蔵のエネルギーを見せられればいいかなという感じでした」と振り返る。
森山さんといえば、孝蔵役と同時に番組内のナレーションとなる“語り”も務めており、ときにはマラソン実況も行うなど、その軽快でテンポのいい語り口が話題を集めた。こうした“語り”について森山さんは「撮影しているときは、ナレーションのことは特に意識していないです」とさばさばと語るも、「(演出の)大根仁さんと映画『モテキ』をやったとき、モノローグがめちゃくちゃあったので、そこで鍛えられたおかげ、という感じはありますね」とほほ笑む。
◇たけしの“志ん生”見て悩み解消? 「生粋の芸人」と脱帽
役を作る上で無視できないのが、孝蔵の後の姿を演じているビートたけしさんの志ん生だ。森山さんは「たけしさんに寄せた方がいいのかどうか」を考え、「とにかく見てみよう」と、たけしさんが撮影しているスタジオに足を運んだという。そのときに見たたけしさんの志ん生は、「髪の毛は金髪だし、思っていた以上に『たけしさんはたけしさん』として演じている姿を見たんです。それまで悩んでいたところもあったんですが、それを見て『もう悩まなくてもいいかな』と思いました」と明かす。
そんなたけしさんについて、「やっぱり生粋の芸人さんなんだな、と。本当に芸を持った人、という意味での芸人なんだと思いました」と森山さん。「『高座に上がる』ということを、ちゃんと理解されている方。高座に上がるシチュエーションの撮影の時、事前に小噺を用意していらっしゃるみたいで。エキストラの人たちの表情を撮るために、その小噺をやるんです。頼まれていないのに……。すごいなと思います」と脱帽する。
もう一人、孝蔵と特に関りのある人物といえば、師匠・橘家円喬役の松尾スズキさんだ。松尾さんの印象を聞かれると、森山さんは「緊張しますね」と吐露。「すばらしい作家でもあり、演出家でもあり、役者でもあると思っているので、本当に師匠としてそこにいる、というか。決して高圧的な感じは無いんですけれど、空恐ろしいところが常に彼にはあるので、その近寄りがたさみたいなものは、すごく『円喬と孝蔵』という関係性として良かったと思います」と語り、「かといって愛情がない人ではない。その愛情の出し方が特殊な人のような気がしていて。不思議ですよね」と笑う。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第13回「復活」が3月31日に放送され、日射病でマラソンコースを外れた四三(中村勘九郎さん)を助けたペトレ家の人々を、“本物”の子孫が演じていたことがドラマの公式ツイッターで明かされた。
公式ツイッターでは、ペトレ家の人々と勘九郎さんの記念写真と共に、「1912年のストックホルム オリンピックで、庭に迷い込んだ金栗四三さんを助けたペトレ家の人々。ドラマのこのシーン、なんと本物のペトレ家のご子孫の皆さんに演じていただきました。時代を超えた不思議なご縁に中村勘九郎さんも感動!」と投稿している。
また、勘九郎さんも「倒れている僕をのぞき込んでくれる顔が、実際の四三さんを介抱したペトレ家の血を引いた人なんですよ。金栗さんを演じる僕がストックホルムの地でペトレ家の子孫の方と共演するなんて、追体験以上のものを感じました。きっとこんな不思議な経験は後にも先にもこの時だけでしょうね」と、公式サイトのストックホルム オリンピック撮影リポートで振り返っている。
歌舞伎俳優の中村勘九郎さんが3月31日、長崎インターナショナルホテル(長崎県大村市)で開催された2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」のイベントに、制作統括の清水拓哉プロデューサーと登場。中村さんは、同ドラマのストックホルムでの撮影で「川で水浴びしていたシーンと、冷水浴のシーンをまとめ撮りしたので、ずっと川に入りきつかった」と本音を明かしながら「実は水質もなかなかきれいではなく、テレビではあんなにきれいに見えるんですけどね」とちゃめっ気たっぷりに語った。
清水プロデューサーは同シーンについて「ストックホルムの街の中で、裸になって撮影するのは、大丈夫なのか」と心配しながら撮影をしていたという。勘九郎さんはストックホルムでの撮影中に、本名で呼びかけられて振り返ると「中学の同級生がいた」というエピソードも披露した。
清水プロデューサーは、ストックホルム五輪のシーンを実際に現地で撮影した理由について、主人公のモデルとなった金栗四三(かなくり・しそう)が100年前に走ったスタジアムが、現存しているからと説明。中村さんはスタジアムを実際に見て、威圧感と「当時の金栗さん、三島(弥彦)さんが、たった二人で来たんだなという感慨深い気持ちがあふれてきて震えた」と語った。さらに二人は、現地の人に声を掛けられ、金栗四三のドラマを撮影していると説明すると、レース中に日射病で倒れ行方不明となった「ミッシングジャパニーズ」として、「金栗さんが日本より有名でビックリした」と振り返った。
この日のイベントは、長崎県が、2020東京五輪に向けてポルトガルとの相互交流を図り、地域活性化を促進する「ホストタウン」に登録されていることから、同所で開催された。
NHKは3月19日、同局の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で、麻薬取締法違反(使用)容疑で逮捕されたピエール瀧容疑者が演じていた「足袋の播磨屋」の店主・黒坂辛作のキャストを、俳優の三宅弘城さんに変更すると発表した。
黒坂は、東京・大塚の足袋屋「足袋の播磨屋」店主。金栗四三(中村勘九郎さん)が偶然この店の足袋を履いて長距離走で優勝したことをきっかけに、マラソン用の足袋開発に二人三脚で取り組むことになる。頑固一徹な職人気質だが、四三の年齢の離れた“盟友”となる……という役どころ。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第8回「敵は幾万」が2月24日に放送され、生田斗真さん扮(ふん)する三島弥彦と白石加代子さん演じる弥彦の母・和歌子が繰り広げた「弥彦!」「お母さん! 行ってきます!」のコール&レスポンスに感動する視聴者が続出。SNSでは「目から汗が止まりません」「うわぁぁん、大奥様~!!」「泣けたー」「涙腺爆発」といった言葉が並んだ。
第8回「敵は幾万」は、オリンピックに出場する四三(中村勘九郎さん)のため、渡航費と滞在費合わせて1800円という大金を抱えて、熊本から東京にやってきた実次(中村獅童さん)。四三は実次から、スヤ(綾瀬はるかさん)の働きかけで資金を得られたと知る。四三と弥彦(生田斗真さん)がストックホルムへ出発する日、「敵は幾万」の大合唱に見送られ、2人を乗せた汽車が動き出した瞬間、弥彦の名を叫ぶ声が聞こえてきて……。
弥彦のオリンピック行きに(表向きは)冷ややかな態度を見せていた和歌子だったが、弥彦の兄の弥太郎(小澤征悦さん)と女中のシマ(杉咲花さん)に支えられ、動き出した汽車に近寄ると、弥彦の手を取り「お前さんは三島家の誇りなんじゃから」と思いを伝え、日章旗が縫い付けられたユニホームを手渡す。さらに「弥彦、体ば大事にしやんせ!」との言葉を贈り、動き出した汽車に向かって、何度も息子の名前を叫ぶという展開。
「弥彦の話でうるっと来ました」「まさかの弥彦のお母さんに泣かされた」「弥彦ぼっちゃんと母のシーンに号泣」「弥彦よかったねえ、弥彦(泣)」と視聴者の涙を誘った。
また、この日は四三がスヤから教わった「自転車節」を熱唱。その歌声に乗せ、池部家へスヤが嫁いでいくシーンも登場。「四三の自転車節の切なさよ」「四三の自転車節に被せるスヤの嫁入りなんと切ないことか」「調子っぱずれの自転車節なのに泣ける。こりゃ泣ける」と話題を集めていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合で日曜午後8時ほか)で、大森安仁子(あにこ)を演じる女優のシャーロット・ケイト・フォックスさん。2014年後期の連続テレビ小説(朝ドラ)「マッサン」のヒロイン、エリー役で知られるシャーロットさんは、大河ドラマ出演が決まった時に「泣いてしまった」という。そんなシャーロットさんに今回のドラマや役について聞いた。
「いだてん」は、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年まで約半世紀を描くオリジナルストーリー。テーマは「東京とオリンピック」。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、86年の「いのち」以来33年ぶり。中村勘九郎さんが日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手の金栗四三(かなくり・しそう)、阿部サダヲさんが「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者の田畑政治(たばた・まさじ)を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。
◇兵蔵のために人生を戦う安仁子 竹野内豊との信頼関係も
シャーロットさん演じる大森安仁子は、本名アニー・バロウズ・シェプリーでアメリカ人の画家。竹野内豊さん演じるストックホルムオリンピック日本選手団の監督、大森兵蔵と大恋愛の末に国際結婚して来日。ストックホルムに同行し、四三と三島弥彦(生田斗真さん)にテーブルマナーや英語などを指導する……という人物だ。
国際結婚をして日本で暮らしているという点で、「マッサン」で演じたエリーと安仁子は共通点があるが、シャーロットさんは「エリーは穏便な性格ですが、安仁子は戦士」と違いを語る。安仁子の一番大好きなところは「兵蔵さんを愛しているということ。彼女がやる全ての行い、彼女の人生そのものが彼のため。彼のために人生を闘っているところもある」と説明する。
兵蔵を演じる竹野内さんについては「すごく平和的で、地に足がついていて物事に動じない落ち着いた男性としての魅力がある。それが兵蔵さんの役に反映されていると思います」と話す。竹野内さんが英語のアドリブについてシャーロットさんにアドバイスを聞いてくれたり、シャーロットさんが竹野内さんに日本語のアドバイスをもらったりと、信頼関係を築きながら撮影は進んでいるという。
大河ドラマのオファーが来た際は「想像もしていなかったチャンスをいただいて涙が出た」というシャーロットさん。役作りのために図書館に通うなどして安仁子について徹底的にリサーチし、120ページ以上の資料を自作した。「家系図を調べ、彼女が生きた時代背景、住んでいた街、どのようにして兵蔵さんと出会ったのかをできる限り足を使って調べた。それから、役作りのために『安仁子だったらどういう服を着たか』『どういう色が好きか』とキャラクターのブランクを埋めていく作業をした」と、並々ならぬ思い入れがあったようだ。
◇安仁子の厳しさは信頼ゆえ 自身の経験を生かした役作り
第7話では、安仁子が四三と弥彦に厳しくテーブルマナーや英会話を指導する様子が描かれる。安仁子の厳しさは「四三さん自身を心から信頼しているから」と捉えるシャーロットさん。それは、シャーロットさん自身が演技の学校で厳しい指導を受けた経験が基になっているという。
「当時は先生がとても意地悪と感じていました。でも、最後卒業する時に『なぜそんなに私に厳しいんですか』と聞いたら『あなたのことを信じていたからよ』と言われた。その当時を思い出しながら役作りをしました」と語る。
四三と弥彦を演じる勘九郎さんと生田さんについては、「撮影を離れてもすごく仲がいいんだと感じています。すごくいい友達で、それがそのままドラマに出ている。お互いがお互いをすごく慕っている、誇りに思っている部分が描かれているんじゃないかと思います」と話す。
◇「地獄の30秒後に天国」 宮藤官九郎の脚本の魅力
シャーロットさんは、脚本を手がける宮藤さんを「素晴らしい作家さん」と絶賛。宮藤さんの描く世界を演じることは「ジェットコースターに乗っているみたい」と表現し、「悲しくてどん底の地獄のようなシーンを取った30秒後には、天国みたいなシーンが描かれていたり。でもそれが自然で、それが人生というものなんじゃないかと、私たちに教えてくれる作家さん」と語る。
宮藤さんが描く安仁子は、「強くて、子供っぽくて、何事も素早い。幸せと感じることも早いし、悲しくなるのも早いし、怒るのも早い」といい、「そういったキャラクターを演じていくことを考えている」と話す。
シャーロットさんは、「マッサン」の頃を「私自身が日本に来て初めてお仕事をするのと重なっていて、エリーの人生を私の人生と重ねて演技していました。私にとっては最初の冒険のようでした」と振り返り、今回は「兵蔵のために戦う戦士としての安仁子像を心の中に持ちながら演技をさせていただいています」と思いを語った。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第6回「お江戸日本橋」が2月10日に放送され、主人公の金栗四三(中村勘九郎さん)と若き日の志ん生こと美濃部孝蔵(森山未來さん)という同じ時代を生きる2人の人生が“お江戸日本橋”で交差するシーンが描かれた。
首都高速が覆いかぶさる前の日本橋で、2体の麒麟像と花火をバックに四三と孝蔵がすれ違うという何やら暗示的なシーン。視聴者から「ゾクっとした」「鳥肌!」「麒麟像バックに2人がすれ違う所、何とも美しかった」「大変エモくて最高でした」といった声のほか、同シーンの最後に花火で五輪が描かれたことから、「ちゃんと五輪の花火が上がってる!」「花火で五輪はマジで胸アツ」などの反響もあった。
第6回「お江戸日本橋」は、ストックホルム五輪に出場する陸上選手を決める予選会のマラソンで世界記録で優勝し、一躍金メダル候補に躍り出た四三(勘九郎さん)。しかし当の本人はオリンピックに「行きとうなかです……」と返答し、大日本体育協会の会長・嘉納治五郎(役所広司さん)を怒らせてしまう。一方、若き日の志ん生こと孝蔵(森山未來さん)も師匠・橘家円喬(松尾スズキさん)に、車夫ならば落語に登場する東京の街並みを足で覚えながら芸を磨けとヒントをもらい……という展開だった。
宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第6回「お江戸日本橋」が2月10日放送される(NHK総合で日曜午後8時ほか)。ストックホルム五輪に出場する陸上選手を決める予選会のマラソンで世界記録で優勝し、一躍金メダル候補に躍り出た金栗四三(中村勘九郎さん)。しかし当の本人はオリンピックに「行きとうなかです……」と返答し、大日本体育協会の会長・嘉納治五郎(役所広司さん)を怒らせてしまう……。
オリンピックに送るに足るだけの選手を見つけて喜ぶ治五郎だったが、派遣費用が莫大で頭を抱える。おまけにマラソンを制した四三は、負ければ「腹切り」と恐れ、短距離の覇者・弥彦(生田斗真さん)は、帝大後の進路を考えたいと出場を断る。そんな2人に治五郎は「黎明の鐘」になれと熱弁する。
その頃、若き日の志ん生こと孝蔵(森山未來さん)も師匠・橘家円喬(松尾スズキさん)に、車夫ならば落語に登場する東京の街並みを足で覚えながら芸を磨けとヒントをもらい、東京の“へそ”日本橋界隈をひた走る。
マンガ「昭和元禄落語心中」の雲田はるこさんがNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)」を描いたイラストが2月8日、ドラマの公式サイトで公開された。主人公・金栗四三(中村勘九郎さん)や三島弥彦(生田斗真さん)、嘉納治五郎(役所広司さん)、美濃部孝蔵(森山未來さん)らを描いた。
雲田さんは「明治の浅草、志ん生の落語とお家。昭和の人々と建物。元気の権化みたいな人々。好きなものしかありません」とコメントを寄せている。
NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)」のキャストが2月3日、成田山新勝寺(千葉県成田市)で開かれた恒例の節分会(せつぶんえ)に参加した。田畑政治役の阿部サダヲさんや大森安仁子役のシャーロット・ケイト・フォックスさんらが、堂内からの「福は内!」の掛け声とともに豆をまいた。
節分会には、吉岡信敬役の満島真之介さん、可児徳役の古舘寛治さん、金栗シエ役の宮崎美子さんに加え、横綱・白鵬関ら大相撲の力士や歌舞伎俳優の市川海老蔵さんも参加した。裃(かみしも)姿の阿部さんやシャーロットさんの姿が見えると、集まった人たちは歓声を上げ、キャスト陣も笑顔で手を振るなどしていた。
豆まきは午前と午後に計3回実施。大豆860キロ、からつき落花生400キロ、剣守(けんまもり)1095体(1回で365体)が用意された。新勝寺では、本尊・不動明王の慈悲で鬼も改心させてしまうことからと「鬼は外」を唱えないのが伝統となっている。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第4回「小便小僧」が1月27日に放送され、ピエール瀧さん演じる「足袋の播磨屋」の店主・黒坂辛作が登場した。
瀧さんは、2017年に放送されたTBS系の連続ドラマ「陸王」で、「いだてん」にも出演している役所広司さん扮(ふん)する主人公のライバルとなる大手スポーツメーカー「アトランティス」の営業部長を演じていた。「陸王」は、資金繰りに苦しむ老舗の足袋業者「こはぜ屋」が新規事業としてスポーツシューズの開発に挑み、世界的なスポーツメーカーと対決する“企業再生ストーリー”として話題を集めた。
そのため、SNSでは「ピエール瀧が足袋職人やってるって、何の因果?」「ピエールが足袋作ってんの草」「なんでアトランティスの人が陸王作ってんの……(錯乱)」などの言葉が飛び交ったほか、「『陸王』で散々足袋屋ディスってたのに……」「ピエール瀧め。自分で『足袋なんかだめだ』とかいってたくせに」「陸王の時は足袋屋を潰そうとしたピエール瀧が足袋屋って!」といった突っ込みも多く見られた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第3回「冒険世界」が1月20日、放送された。この日は、ドラマの前半の主人公・金栗四三(かなくり・しそう、中村勘九郎さん)とマラソンとの運命の出会いが描かれ、三島弥彦(生田斗真さん)ら東京の学生を中心としたスポーツ万能のバンカラ集団「天狗倶楽部」が再登場した。
本編終了後のミニ番組「いだてん紀行」では、その「天狗倶楽部」が取り上げられ、「スタートからゴールまで、川があろうが家があろうが、ひたすら真っすぐ進むレースを企てました」という豪快エピソードが紹介されると、SNSでは宮下あきらさんの人気マンガ「魁!!男塾」のファンが反応。
「いやそれ男塾だろwww」「男塾名物やん」「直進行軍!」「男塾名物『直進行軍』は明治時代に実在した!」「男塾名物『直進行軍』が実在したとは思わなんだ……」と驚きの声が上がっていた。
第3回「冒険世界」は、家族の期待を一身に背負って上京した四三(勘九郎さん)だったが、東京高等師範学校での寮生活になじめない。夏休みの帰省では、スヤ(綾瀬はるかさん)に見合い話があると聞かされ、傷心のまま東京に戻った四三は、偶然、三島弥彦(生田さん)ら天狗倶楽部による奇妙な運動会を目にする。それがマラソンとの運命の出会いで……という展開だった。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第2回「坊っちゃん」が1月13日、放送され、ドラマの前半の主人公・金栗四三(かなくり・しそう、中村勘九郎さん)の物語がスタート。四三の知られざる少年時代が描かれ、その幼少時代を演じた久野倫太郎君の演技に視聴者の注目が集まった。
倫太郎君は熊本県出身で、全国規模のオーディションによって約1500人の中から発掘された。これまで演技経験はなかったというが、「ちび四三くんの雰囲気たるや!」「子役くんめっちゃいい味出してる!」と、撮影当時7歳だったという倫太郎君の自然な演技を視聴者は絶賛。
またSNS上では「ちび四三ちゃん可愛いわぁ……」「ちび四三が、鼻たらしの昔の子供みたいで可愛い」といった意見も多く、「子役ちゃんになんかもらい泣きしてもうた」「はじめてのおつかいを見てる気分」「チビ四三があっという間に大きくなっちゃって、残念」といった声も聞かれた。
第2回「坊っちゃん」で、テレビ寄席で志ん生(ビートたけしさん)が語るのは、日本初のオリンピック選手となった金栗四三の知られざる熊本での少年時代。学校まで往復12キロを走る「いだてん通学」で虚弱体質を克服した四三だが、軍人に憧れて海軍兵学校を受けるも不合格に。身体を鍛えても無駄と落ち込む四三だが、幼なじみのスヤ(綾瀬はるかさん)に励まされ、嘉納治五郎(役所広司さん)が校長を務める東京高等師範学校への進学を決意する……という内容だった。
「いだてん」は、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年までの約半世紀を描く、宮藤官九郎さんのオリジナルストーリー。テーマは「東京とオリンピック」。近現代史の大河ドラマは、1986年の「いのち」以来33年ぶり。勘九郎さんが日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三、阿部サダヲさんが「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治(たばた・まさじ)を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。
NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)」の前半の主人公・金栗四三(かなくり・しそう、中村勘九郎さん)の幼少時代を演じる子役に、演技経験のない“素人”が起用されている。金栗四三の地元・熊本県出身の久野倫太郎君で、撮影当時の年齢は7歳。同局の大河ドラマや朝ドラ(連続テレビ小説)では、子役の演技レベルの高さが近年、話題に上がることも多いが、倫太郎君は全国規模で開催されたオーディションを経て、異例の抜てきとなった。
ドラマのチーフ演出・井上剛さんによると、オーディションには当然プロの子役も参加。全国で「1000から1500(人)くらいに会ったり話をした」といい、「主人公が持っている独特の“田舎もん”な感じや素朴さ。作っていない感じ。何色にも染まっていない子を探していたら、やっと最後の最後で見つかったのが“素人さん”だった。どうしようかなって思ったんですけど、“ま、いいか”って(笑い)。あとは地元の子というのも大きかった」と経緯を明かしている。
井上さんによると、撮影現場では倫太郎君に「台本も渡さなかった」といい、「幸いそんなにもせりふがなかったんですけど……うまいこと導きながら撮っていった。だから、すごい(倫太郎君の)素の部分が出て、大人の俳優もすごく刺激される。『そんな新鮮な顔をするんだ』とか、プロの役者さんにはない魅力がすごくよかった」と振り返った。
倫太郎君は13日放送の第2回「坊っちゃん」に登場する。井上さんは同回の倫太郎君の演技について「すごく面白いものになっている」と自信を深め、「(史実の中の)金栗さん自身もオリンピックなんて何も知らなくて、健康になりたくて走っていただけなのに、そのまま世界に連れていかれる。あまり計算高くない感じの人が主役にはいいなって思ったので、こういった“素人さん”にしたのかもしれないですね」と推し量っていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の第1回「夜明け前」が1月6日、放送された。「“東京”と“オリンピック”」をテーマに、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ半世紀を描くオリジナルストーリー。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶりということで注目が高かった本作だが、視聴者から「面白い!」との声が多数上がり、SNSでは大きな盛り上がりを見せた。
特に視聴者が絶賛したのがテンポの良さ。「とにかく、テンポがいいな」「このスピード感、最高だなあ」「テンポ感がすごい。これは引き込まれる」「あれよ、あれよと展開していく。ワクワクが蓄積していく感じが堪(たま)らない!」「圧倒的な疾走感。あっという間の1時間で大満足!」といった意見が多く、「クドカンの魔術だわ」「さすがクドカン」「クドカン、最高」「クドカン最高か。知ってたけど!!」と好評だった。
初回は冒頭からビートたけしさんや小泉今日子さんに加え、阿部サダヲさん、星野源さん、松坂桃李さん、松重豊さんといった後半の主要キャストも次々と登場。そこから時代は明治へと飛び、役所広司さん、古舘寛治さん、杉本哲太さん、竹野内豊さん、生田斗真さん、満島真之介さん、武井壮さん、橋本愛さん、峯田和伸さんらが“濃いキャラ”に扮(ふん)して、ほとんどの日本人がまだ見ぬオリンピックを巡って丁々発止のやりとりを繰り広げた。
その一方で、“前半の主役”金栗四三(かなくり・しそう)役の中村勘九郎さんは最後の最後まではっきりと姿を見せず、登場したと思ったら顔には歌舞伎の“隈(くま)取風メーク”というまさかの展開も。
この初回についてSNSには「情報量の洪水ですわ」「なんという情報量の多さ。全力で駆け抜けたような疲労感……」「キャストが豪華すぎて大渋滞、情報量多!」「勢いと熱量のある第1話で面白かった!」「クドカン初の大河、安心した。これはいいドラマになる!」といった言葉が並んだ。
大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」は全47回。NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」が1月6日にスタートする。日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ半世紀を描くオリジナルストーリーで、主演を務めるのが歌舞伎俳優の中村勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさんだ。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶりとなる。「ものすごくいい意味で大河ドラマって感じじゃない。何もかも違うと思います」と話す勘九郎さんと「(大河ドラマのイメージを)“変えたい”っていうのはありますし、“笑い”を日曜夜8時に持ってきたい」と意気込む阿部さんにドラマへの思いを聞いた。
◇宮藤官九郎脚本への信頼 インタビュー中、何度となく「面白い」を繰り返した2人
「いだてん」のテーマは「“東京”と“オリンピック”」。勘九郎さんは日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三(かなくり・しそう)、阿部さんは「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治(たばた・まさじ)を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。時に物語は時代を行ったり来たり。“落語の神様”と呼ばれる昭和の大名人・古今亭志ん生(ビートたけしさん)のパートがあったりと、これまでにない異色作となっているが……。
インタビュー中、何度となく「面白い」を繰り返し、宮藤官九郎脚本への信頼を示していた勘九郎さんと阿部さん。それでいて「歴史もそうですし、スポーツのことや、当時の情報も入ってくるから、まぎれもなく大河ではあるんですけど。加えて、めっちゃ面白い」と力を込める。
それぞれが演じる金栗四三と田畑政治は、誰もが知っている、歴史の教科書に出てくるような偉人ではない。その点については勘九郎さんも「本当に主役なのかなっていうような主役(笑い)」と認めているものの、そのことが作品の魅力を損なうようなことにはならず、阿部さんも「全体的に成し遂げてないような人を描くというのが面白い」と逆説的に自信をのぞかせている。
◇中村勘九郎は「食事も変えて」役作り 五輪で棄権が「本当に悔しくて」
勘九郎さん演じる金栗四三は、目標に向かって真っすぐに突き進む太陽のような男。故郷・熊本の往復12キロの通学路を走り抜ける姿から、いつしか“いだてん”と呼ばれるようになる。ストックホルム五輪のマラソン予選会で当時の世界記録を27分も更新し、日本最初の五輪選手としてストックホルムに旅立つ。
勘九郎さんは「金栗さんは偉人ではないですけど、マラソンのことしか考えてない。それが一貫して(脚)本には書いてあるので、僕はマラソンのことだけを考えて、あとは周りが支えてくれるので、やっていてとっても楽しいです」と充実した表情を見せる。
役を通じて「何事にもいちずに情熱を注いで突き進んでいけば、どんなことでもを成し遂げることができると思えた」とも話す勘九郎さんは、「金栗さん自身、オリンピックでメダルを取ったわけではないんですけど、未来につながる何かを残すことができた思う。何かを情熱を注いでやっていれば、何かを得ることができるんだって、見て感じてもらえたら」と思いを寄せる。
今回、マラソン選手の体形にするためにトレーニング以外にも「食事も変えた」と明かす勘九郎さん。想像以上に役と自分がオーバーラップする瞬間があったいい、「金栗さんのころは環境も今とは全然違うし、やっていて本当に大変だったんだろうなってことを身をもって感じることができた。史実として、ストックホルムでは棄権するって分かっていたんですけど、本当に悔しくて。あまりスポーツはやってこなかったし、役者に勝ち負けってないので、負ける悔しさが分からなかったんですけど、あのときは勝ちたかったって本気で思いました」と振り返った。
◇阿部サダヲ演じる田畑政治は「常識的じゃない」 それでも尊敬の念は増すばかり…
一方、阿部さんが演じる田畑政治は、1964年の東京オリンピックの招致に成功する。もともとは水泳をこよなく愛し、世界と戦える選手の育成に燃えた指導者。大学卒業後、新聞記者として政治家たちと渡り合いながらスポーツの地位向上を目指していく。情熱家でロマンチストだが早とちりで落ち着きがないため、しばしばトラブルを巻き起こす……という人物だ。
阿部さんは「田畑さんは頭の回転が速くて、プロデュース能力もすごい。記者なので言葉でガンガン攻めていく人」といい、「でも常識的じゃない。直談判が多いんです、そこに行くのかって(苦笑い)。周りは止めるのが大変だったんじゃないのかなっていう感じはしています。珍しいキャラクターですよね、どこでもかみついていくので。お茶の間の方に親しんでいただけると良いのですけれど」とちょっぴり心配そうだ。
それでも田畑政治の功績には尊敬の念は増すばかり。「戦争もあって一度、招致を断念するんですけど、そこであきらめないで、やっていく。そういった意味でも強い人だと思いますし、みんなに希望を持たせたいっていう気持ちが大きくて、こういう方たちがいたから世界は平和でいられる、こういう人の功績があったから、今は選択肢が増えたっていうことが、ドラマを見れば絶対に伝わると思うんです」と熱い気持ちも。
さらに阿部さんは「静かに『ハイハイ』って従順にやっていたら、(50年後に)田畑政治が大河ドラマの主人公になっていなかったはず」と持論を展開すると、「うそでしょうっていうくらいの行動力がないと周りの人は動かないと思うし、それくらいのことをしないと、世の中変わらないんだと思います」と思いを重ねていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」が1月6日に“開幕”する。日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ半世紀を描くオリジナルストーリーで、ビートたけしさん扮(ふん)する昭和の大名人・古今亭志ん生が“落語”で物語をナビゲートする。中村勘九郎さんが日本で初めて五輪に参加したマラソン選手の金栗四三(かなくり・しそう)、阿部サダヲさんが「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治(たばた・まさじ)を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ異色作だ。
◇時代を行ったり来たり…悲喜こもごももポップに? 壮大なテーマ曲も!!
今作のテーマは「“東京”と“オリンピック”」。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶり。時に物語が時代を行ったり来たりするのも特徴で、明治~大正~昭和を通して、オリンピックに関わった人たちの悲喜こもごもを、ポップにテンポ良く描く。当然、侍は出てこない。
音楽を手がけるのは、13年放送の連続テレビ小説「あまちゃん」などで知られる大友良英さん。ブラジルのサンバをヒントに大人数でリズムを作り上げた、壮大で疾走感あふれるテーマソングが視聴者を「いだてん」の世界に誘(いざな)うほか、「モテキ」「バクマン。」などで知られる大根仁監督も演出陣に名を連ねている。
もちろん、役所広司さんや生田斗真さん、森山未來さん、星野源さん、松坂桃李さん、松重豊さん、綾瀬はるかさん、小泉今日子さんといった豪華キャストの熱演も必見だ。
◇第1回「夜明け前」 日本オリンピック史の1ページ目が開かれる…
第1回「夜明け前」は、時は1959年、五輪招致目前の東京。大渋滞の日本橋を通りかかった落語家の古今亭志ん生(たけしさん)は寄席に向かっていた。その日、高座で志ん生が語り出したのは、50年前の日本の五輪初参加にまつわる噺(はなし)。1909年、柔道の創始者の嘉納治五郎(役所さん)はストックホルム大会を目指して悪戦苦闘していた。
スポーツという言葉すら知られていない時代。果たして、初めての派遣選手をどう選ぶのか。日本オリンピック史の1ページ目がここに開かれる……。
昨年12月に行われた第1回の試写会で、金栗四三役の勘九郎さんは、劇中で歌舞伎の隈(くま)取りのようなメークを披露していることを明かした上で、「インパクトのある登場ができた」と満足げに振り返っていた。主人公・金栗四三がどうやって登場するのかにも注目したい。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける1月スタートのNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で、主人公・金栗四三の恩師となる嘉納治五郎役を務める役所広司さん。“日本スポーツの父”と呼ばれる嘉納治五郎は、日本の五輪初出場のために奮闘するドラマの重要なキャラクターの一人だ。役所さんに、演じる嘉納治五郎への思いや役作りのエピソード、自身の五輪への思い出などを聞いた。
◇「粗削りなんだけど、繊細なところは繊細」 “今までと違う大河”に手応え
ドラマのテーマは「“東京”と“オリンピック”」。日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ半世紀にわたって描くオリジナルストーリーとなる。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは1986年の「いのち」以来、33年ぶり。主演は中村勘九郎さんと阿部サダヲさんで、勘九郎さんは日本で初めて五輪に参加したマラソン選手・金栗四三役、阿部さんは「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。
「2020年の東京五輪に向けて作るには、最高のタイミングだなと思いました」と「いだてん」を語る役所さん。宮藤さんの脚本について「面白いですね。粗削りなんだけど、繊細なところは繊細」と語り、「撮影をしていても、台本を読んでいても、今までと違う大河ファンが増えるんじゃないかと思っています」と手応えを明かす。
◇演じる嘉納治五郎の魅力 「こういう人がいないと歴史は動かない」
演じるのは、講道館柔道の創始者、嘉納治五郎。ドラマの第1回ではIOC会長のクーベルタンから五輪への日本の参加要請を受け、日本の五輪初出場のために奮闘するなど、ドラマの重要なキャラクターだ。
役所さんは嘉納治五郎について「立派な人だと思います。この時代に、これだけの語学力があって、オリンピックで世界平和とつなげて……。猛反対を受けながら日本をストックホルム五輪まで導く。『この人がいなかったらどうなっていたんだろう』というぐらいの人物ですよね」と評し、「ドラマでは前向きすぎて周りに迷惑ばかりかけているけど、こういう人がいないと歴史は動かないんだろうな、という感じがする人物」と魅力を語る。
◇役作りでは苦労も? 「ひげをつけるたびに、“ひげダンス”の音楽が…」
ただ、役作りでは苦労もした。「動画がなくて、スピーチをしている音だけは聞いたことあるけど、すごく甲高い声で『これは難しいな』と思った(笑い)」と役所さん。そこで、写真や資料を読み込み、「ああ、こんな人だったんだ、と思いながら……。最終的には、宮藤さんが作り上げた嘉納治五郎と照らし合わせて、うまく実在感が出るといいなと思ってやっていました」と明かす。そして嘉納治五郎といえば、やはり柔道。「僕と(東京高等師範学校教授・永井道明役の)杉本哲太さんは、講道館に行って稽古(けいこ)しました。筋肉痛に打撲にと、いろいろ苦労しました」と苦笑する。
劇中では、フロックコートや山高帽を着用し、さらに口ひげもつける。役所さんは「ひげをつけるたびに、“ひげダンス”の音楽が自分の中で鳴る(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに語り、「ドラマで山高帽をかぶる経験はなかったので、不思議な感じです」と感想を語る。実はひげは、一本一本くっつけているといい、「一回くっつくと直しがなくて楽なんですけど、ご飯を食べるのは大変。もうかなりの本数、ひげを食ってると思います(笑い)」と楽しそうに裏側を明かす。
勘九郎さん演じる金栗四三との共演シーンも多い。役所さんは勘九郎さんの金栗について「本当に昔の人みたいで(笑い)。マラソンランナーらしい体形に準備されていたし、熊本から出てきた、地方の人の感じがすごく出ていました。素晴らしい役作りをされていると思いました」と絶賛。「勘九郎さんの金栗四三の骨の一本になれるように役に立ちたいですね。やっぱり主人公が輝いているドラマでないと面白くない。みんなが金栗四三を盛り上げていく役割を背負っているのだと思います」と語る。
◇ストックホルムロケで感慨 2020年東京五輪に望むことは…
昨年8月には、1912年に五輪が開催されたスウェーデン・ストックホルムのロケに参加した。役所さんは「建物は100年前とあまり外観が変わっていないので、ロケをした価値はあったと思いました」と振り返り、「今回は、砂を大量に運んで、(陸上の)トラックを当時の砂の状態にしていました。しっかり準備をしてもらえたので、100年近い前に初めて日本が入場行進した雰囲気が出ていたと思います」と出来栄えに太鼓判を押す。
現地での撮影時は、金栗四三の気持ちに思いをはせた。「嘉納さんはいろんな国を視察などで経験していますので、あまりカルチャーショックはなかったでしょうけど、金栗四三さんはこんなところにいきなり連れてこられて、どんな気持ちだったんだろうと思いました」と役所さん。「ストックホルムでは、金栗四三さんは“ミッシングランナー”で有名人で。ロッカールームに行くところに金栗四三さんの写真が飾ってあって、『ああ、大昔に日本人がここに来たんだな』と思いました」と感慨深げに語る。
ところで、役所さん自身は、五輪にはどんな思い出があるのだろうか。最初の五輪の記憶は64年の東京五輪で、「あのころ、僕は長崎の片田舎にいて。でも、日本中が浮足立っていた気がします」と当時の印象を語る。「(柔道で)ヘーシンクに神永が負けた試合は印象に残っています。すごく悲しかった記憶がありますね」と振り返る。また、98年に長野で開催された冬季五輪には、現地まで足を運んだ。スキーのジャンプ団体で日本が優勝したときで、「あそこで(自身も)ウェーブやってたんですけどね」と笑顔で懐かしむ。
2020年には、いよいよ56年ぶりの東京五輪が開催される。役所さんは「できれば、世界のお手本になってほしいな、という気がしますね」と願いを込める。最後に、ドラマの見どころを聞かれた役所さんは、「100年ぐらい前に、日本人が世界とスポーツで戦うために、あんな遠いところまで行った。そこから日本で僕たちが見ているような『スポーツで感動をもらえる』というところに発展していった。ドラマではその過程が細かく、ユーモラスに描かれているので、『スポーツで世界中が交流する』ということを感じてもらえればいいなと思っています」とメッセージを送った。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」が1月6日にスタートする。日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ半世紀を描くオリジナルストーリー。音楽を手がけるのは、13年放送の連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」などで知られる大友良英さんだ。マラソン選手の金栗四三(かなくり・しそう、中村勘九郎さん)がメインとなる前半パートの分だけで、すでに160曲近く「録音した」と明かす大友さんに、音楽制作の舞台裏を聞いた。
「いだてん」は、1986年の「いのち」以来、33年ぶりに近現代史を取り上げる19年の大河ドラマで、テーマは「“東京”と“オリンピック”」。主演は中村勘九郎さんと阿部サダヲさん。勘九郎さんは日本で初めて五輪に参加したマラソン選手・金栗四三役、阿部さんは「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治(たばた・まさじ)役を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。
◇朝ドラと比べて大河ドラマは「規模感が違う」 トラック数は最大箇所で700!?
これまで数々の作品の劇伴を担当してきた大友さんだが、大河ドラマの音楽を手がけるのは今回が初めて。朝ドラと比べて大河ドラマは「規模感が違う」と話す大友さんは、「朝ドラって物事が起こっているところの中に入って音楽を作っている感じだった。でも大河はちょっと引いて、地球儀を眺めているような感覚。ただ、それだけでは僕が作る意味がない。大友良英っぽくするのにどうすればいいんだろうって思ったとき、ものすごく人を呼ぶんだけど、一人一人の顔が見えるようにしたいなって思った」と振り返る。
目指したのは「(演奏者の)顔が見えるような音楽」。その象徴と言えるのが、ドラマのオープニングを飾るテーマ曲だ。ブラジルのサンバをヒントに大人数でリズムを作り、打ち鳴らされる楽器の音色は多彩でカラフル。一つの目標に向かって、全員が一丸になっていくような高揚感や疾走感も特徴で、ドラマのテーマの一つであるオリンピックらしさという意味でも申し分ない。
テーマ曲で使われたトラック数は最大箇所で700。言い換えれば700の音が同時に鳴らされている瞬間があるということだ。演奏人数は160人強で、その一人一人がコーラスでも参加しているので、単純計算で延べ300人は超える。
その中には、音楽家をなりわいとしない“アマチュア”も。大友さんは「スタジオに来た人、全員に歌ってもらった」といい、「本当は1000人を目指していたんですけど(笑い)。大河史上、最大のトラック数だと思います。とにかくいろいろな顔を入れたくて、でもそれぞれが生きている」と自身の試みに満足そうだ。
◇「参加することに意義がある」の精神で制作 インスピレーションを得たのは…
年々、アスリートのプロ化が進み、最近は聞かれなくなったが「オリンピックは参加することに意義がある」という言葉はあまりに有名だ。今回、その基本理念を音楽制作に持ち込んでいる大友さんは、昨年1カ月半かけて巡った中南米からの影響を挙げる。
「中南米の音楽の面白いところは基本アンサンブル、それもすごい人数の。ブラジルなんか特にそう。何百人規模で、見ていて痛快」と話す大友さん。
特にインスピレーションを得たのが、1950~60年代のころのサンバ。「今のサンバは速くて筋肉質。ものすごくアスリートっぽいんですけど、1950、60年代の頃はもっとバラけていて、のんびりしていて、酔っ払いのダメ親父もいれば、キレイなお姉さんもいるような感じ。このドラマも、オリンピックに出るような人もいれば、志ん生師匠の若い頃のように、飲んだくれてっていう人も出てくる。音楽にも、その両方が入ってないとダメだって、南米に行って思ったんです」と明かしている。
だからといって、決して借り物のような音楽にはなっていないのが大友さんらしい。「サンバのリズムを日本人がやっても和太鼓にしか聞こえないときがある。それって言葉と同じで、英語を勉強してしゃべれるようになったとしてもネーティブな発音にはなかなかならないのと一緒。それでもちゃんと通じるでしょ。それでいいんです。音楽もそう。無理してネーティブ風になる必要はないんです」と持論を披露していた。
◇アルゼンチンの鬼才打楽器奏者も参加 盟友・芳垣安洋と即興演奏も
「いだてん」の音楽制作には、大河には欠かせない「NHK交響楽団(N響)」に加え、自身のビッグバンドや、大友さんの盟友でドラマーの芳垣安洋さん率いる「Orquesta Nudge! Nudge!」も参加。劇伴の中には南米アルゼンチンのジャズ/ネオ・フォルクローレ・グループ「プエンテ・セレステ」の鬼才打楽器奏者サンティアゴ・バスケスさんと大友さんや芳垣さんが「一緒に即興演奏したもの」も入っているという。
大友さんが自身のネットワークとアイデアを駆使し、「“東京”と“オリンピック”」がテーマの近現代大河をどう彩ってくれるのか、期待したい。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」が6日スタートする。日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ半世紀を描くオリジナルストーリーで、主人公の金栗四三(中村勘九郎さん)の幼なじみで、後に妻となる春野スヤ役で出演するのが女優の綾瀬はるかさんだ。スヤについて「とにかく前向きな女性という印象。真っすぐで凜(りん)とした強さがあって、とても明るく。いつも元気に歌を歌っている。太陽のような女性です」とアピールする。綾瀬さんにドラマや役について聞いた。
「いだてん」は、1986年の「いのち」以来、33年ぶりに近現代史を取り上げる19年の大河ドラマで、テーマは「“東京”と“オリンピック”」。主演は中村勘九郎さんと阿部サダヲさん。勘九郎さんは日本で初めて五輪に参加したマラソン選手・金栗四三役、阿部さんは「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。
◇監督からは「もっと元気に、もっと元気に」と…
綾瀬さん演じる春野スヤは熊本の医者の娘で、村一番のハイカラなお嬢様。幼なじみの金栗に淡い思いを抱き、生来の柔らかさと太陽のような明るさで、悩む金栗の心を癒やす。波瀾万丈の結婚生活をくぐりぬけ、五輪に向けてまい進する夫を支え続ける……という人物だ。
スヤはちょっぴり空気を読めない部分もあるが、それもまた魅力というキャラクター。天真爛漫(らんまん)さは綾瀬さんのパブリックイメージとも通ずる。綾瀬さんも「元気なところとか、わりと『こう思ったらこう』となってしまうような真っすぐさは、共感できる部分があります」と認める。
「2人が大人になって最初に会うシーンも印象的。金栗さんが落ち込まれているところにスヤさんがものすごく元気に『金栗さ~ん』って空気を読まずに近づいていく。そこで金栗さんはすごく嫌そうな顔さえるんですけど(笑い)。スヤさんはお構いなしで話しかけているっていうシーンになっているんです」と綾瀬さんも話していてどこか楽しそうだ。
さらに「金栗さんが最初のオリンピックに出場したとき、ストックホルムから手紙をもらうんですけど。彼が惨敗したことを知っているのに、その手紙をすごく元気に読むというシーンもある。金栗さんのそのときの気持ちになって、あえて前向きに読むというようなところも、なんかポジティブな人だなって。とにかくスヤさんはパワフルで元気で明るさが振り切れている。監督さんからも『もっと元気に、もっと元気に』って言ってくるんです」と笑っていた。
◇劇中では「自転車節」を披露 「爆走しながらすごい大声で一人で歌っていたり」
劇中では元気いっぱいに熊本で愛されていた「自転車節」を披露している綾瀬さん。「いだてん」におけるスヤの元気キャラを印象づけるシーンになっているようで、「歌い方はシーンによってまた違うんですけど。冒頭の方は元気に自転車で爆走しながら(笑い)、ものすごい大声で一人で歌っていたり。ストックホルムに行っている金栗さんを応援しているシーンでは振り付けがあって、宴会場でみんなを盛り上げるため、一人で歌って踊ります。基本的には明るく、はつらつと元気に歌うことが多い」と明かす。
まるでフィクションのような“スヤさんエピソード”だが、基は実話だという。熊本で「スヤさんの娘さんに話を聞く機会があった」という綾瀬さんは、「スヤさんはとにかく世話好きで、なんでも手作り、やることが早くて、いつも元気だったって。お酒を飲んで、よく自転車節を皆さんの前で歌われていたみたいです」と笑顔を見せる。
また、夫・金栗四三についても「真っすぐで信頼できる人。不器用なくらい真っすぐな人ですね」と印象を語り、「似たもの同士の夫婦を、面白く、温かく、演じることができたらいいなと思っています」と意気込んでいた。
◇「八重の桜」以来、6年ぶりの大河 「前回の経験を生かして伸び伸びとできたら」
主演を務めた13年の「八重の桜」以来、6年ぶりに大河ドラマに帰ってきた綾瀬さんは「撮影でNHKさんに通うのも大好きですし、大河ドラマという作品も大好きだったので、また参加できることがうれしかった。オリンピックの話を作るということでちょっと“お祭り感”があるので、前回の経験を生かして伸び伸びとできたらいいなって思います」とあくまで自然体で臨む。
宮藤官九郎さんの脚本については「悲しいところがあっても、重々しくせず、あえて軽く持っていこうとするから、かえってジーンときてしまう。テンポの良さ、ノリの良さで、歴史や物語を笑いを交えながらっていうのが、すごくいいバランスで書かれているなと思います」と印象を明かす。
「登場人物も個性的で、どの方も面白い。あの時代、みんな信念があって、真っすぐに生きていて、そのぶつかり合いとかもすごく面白く書いてある、時代的にオリンピックを断念しなくちゃいけないとか、悲しいこと、つらい苦しいこともありますけど、最終的には登場人物たちの絆、信念みたいなものがすごく書かれていて、そのポジティブさに胸が熱くなる。自分も頑張らなくちゃって思えるような作品になっていると思います」と思いを寄せていた。
2019年のNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で脚本を担当する宮藤官九郎さん。ドラマは宮藤さんのオリジナルストーリーで、「“東京”と“オリンピック”」をテーマに、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年までおよそ半世紀にわたって描く。宮藤さんにドラマ誕生の背景や制作エピソードなどを聞いた。
◇“異色”大河ドラマ「いだてん」誕生の背景は…
ドラマのテーマは「“東京”と“オリンピック”」。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは1986年の「いのち」以来、33年ぶり。主演は中村勘九郎さんと阿部サダヲさんで、勘九郎さんは日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手・金栗四三役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。
主役・金栗四三と田畑政治が繰り広げるオリンピック物語をビートたけしさん演じる古今亭志ん生が落語でナビゲートする。もともと宮藤さんは、「戦前と戦後を生き抜いた人々の人生を、悲劇だけでなく喜劇的な側面でも描くドラマ」を考えていたといい、「志ん生さんの、“東京では好きな落語ができないからと勝手に満州に行って、死にかけた”エピソードが好きだったんです。そんなドラマ、どうですか? という話をしていたら、ちょうど志ん生さんが金栗さんとほぼ同い年だった。志ん生さんがオリンピックに関わっていたという事実はまったくないのでそこは創作になるんですが、オリンピックを斜に見ている志ん生さんが1年間、オリンピックの噺(はなし)をするのはいいかな、と思いました」とドラマの骨格ができた背景を明かす。
「大河に限らず朝ドラもそうですが、ナレーションがすごく大事な気がしています。こういう話だと、あっちこっちに行きたいときに、落語が入ると簡単に時間や場所を飛ばしたりできるな、と思いました」と宮藤さん。「歴史を動かすような将軍や殿様というよりは、庶民の話がやりたかったんです。落語だと、長屋と下町とかの話がメインなので、庶民の話が作りやすいな、と。そういう世界観、ビジュアルの大河ドラマってない。いいんじゃないかと思いました。落語はオリンピックの話を進めるときに重宝しています」と語る。
◇主人公の決め手は“人間味” 愛されキャラ・田畑は「阿部君にぴったり」
主人公の一人が、日本最初の五輪選手となる金栗四三。宮藤さんは当時、初めて五輪に関わったキャラクターを何人か調べる中で、金栗に「一番シンパシーを感じた」という。「本番に弱いとか、そういうところがいいなと思いました(笑い)。大河ドラマという意識があまりなかったのかもしれないですが、勝ち進んでいく人や上り詰めていく人にあまり興味がなくて。『(何かを)目指していたけどできなかった人』に親近感が湧くというか……。(1912年に開催されたスウェーデンの)ストックホルム(五輪)で走ったけど、大惨敗しちゃったとか、そういうところに人間味を感じたんだと思います」と振り返る。
ただ、「のちに描く予定の64年のオリンピックには、金栗四三は関係していないという問題があった。そこで資料を調べていくうちに、政治記者・田畑政治の存在を知る。「田畑さんは、日本に(64年の)オリンピックを呼んできた人なのに、何をやったのかまったく資料が残っていない……。いたということは分かっているんですが。調べてみたら、口が災いして、最終的にはオリンピックの前に大事なポストから降ろされたらしいんです。これは面白いなと思いました」と宮藤さんは明かす。
金栗を演じる勘九郎さんについて、「登場する第3回ごろの脚本を書いているときには、決定ではないけど、勘九郎くんにお願いしたいと思っていた」と宮藤さん。また、田畑役の阿部さんについても「もともと個性的な人なので、書き始めてぼんやりと『これ阿部君なのかな』と思って、だんだんその色が濃くなっていった感じです」と明かし、「そばにいると何かしてあげたくなるという、みんなに愛されるキャラクター。あと、基本的に何を言っているか分からない上に、字が汚いという記録が残っていて。『阿部君、ぴったりだな』と(笑い)」と楽しそうに打ち明ける。
最後に、ドラマへの思いを聞かれた宮藤さんは「(現代は)オリンピックに対して、斜に構えている感じがどうしてもするんですよね、いいニュースを聞かないというか……。だから、もっと楽しくやるものじゃなかったんですか、ということが、もうちょっと分かるといいな、どう伝えていけばいいかなと思っています」と話す。「このドラマが終わると、本当に(2020年に)オリンピックが来る。日本人が初めてオリンピックに参加するときに、こんなにピュアな気持ちでやっていたんだ、ということを、僕も書いていて気づかされることが多いので、見ている人に同じように思ってもらえたらいいなと思います」と期待を込めていた。
2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で脚本を務める宮藤官九郎さん。ドラマは宮藤さんのオリジナルストーリーで、「オリンピック」をテーマに、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年までおよそ半世紀にわたって描く。宮藤さんでNHKドラマといえば、2013年の連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」の脚本を担当したことも記憶に新しい。そんな宮藤さんに、大河ドラマの脚本を担当する心境や朝ドラ執筆時との違いなどを聞いた。
◇「思っていたより大河ドラマっぽい」 脚本担当の心境は…
ドラマのテーマは「“東京”と“オリンピック”」。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは1986年の「いのち」以来、33年ぶり。主演は中村勘九郎さんと阿部サダヲさんで、勘九郎さんは日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手・金栗四三役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役を演じ、“リレー”形式で主演のバトンをつなぐ。
33年ぶりの近現代史でかつ、リレー形式の主演も19年ぶりとあって、その異色ぶりが注目を集めている「いだてん」。だが、宮藤さんは意気込みを聞かれても「あんまりないですね(笑い)」と自然体だ。「今までの大河ドラマだと、合戦とか切腹とか、『この人を取り上げるなら、これは絶対にあるでしょ』というシーンがあるけど、それが今回はないんです。その代わり、陸上や水泳がある。国と国の戦いではなく、スポーツでそうした見せ場を作る、というのは、最初に思っていたより“大河ドラマっぽい”んじゃないかなと思っています」と語る。
大河ドラマの脚本を担当する経緯について、宮藤さんは「『面白いことやりましょう』と始まって、なんとなく『これ大河になりますかね?』という話になり、『大河になるのかこれは、今までみた大河ドラマでこんなのないですよね』という話をしていて。でも、なるらしい……と」とユニークに説明。脚本を務める心境は「(大河になると聞いたときは)1年間どうやって怒られずにやっていこうか……ということが一番ですね。だいたい大河ドラマって作者が怒られるじゃないですか、事実と違う、とか。いかに言われずに、1年をやりすごそうかなと思いました」と冗談めかして明かす。
◇長丁場も苦労なし 「尺が足りない」
NHKドラマでは、2013年の連続テレビ小説「あまちゃん」の脚本を担当した。朝ドラと大河では、どのような点で違いを意識しているのか。宮藤さんは「(今回は)実在する人で、『あまちゃん』は実在する人じゃなかったので、そこが大きく違いますね。実在する人を描くメリットはなにか、毎回考えながらやっています」と語る。
さらに、「朝ドラは、1日や2日見なくても分かるようにしないといけない。何も起こらない回があっても面白いなと作っていたので、わりと気楽にやっていました。今も、そんなに深刻にはなっていないんです。毎回トピックがあるので、行き詰まったり、ネタに困ったり、ということはないですね」と宮藤さん。
とはいえ、「つじつまが合わないことがどうしても出てきてしまう。『このとき、金栗さんには熊本じゃなくて東京にいてほしいのに、なかなか東京に出てこない』とか」と苦労もあるが、「マイナスに考えたくないので、面白い理由を考えればいいのかなと。創作が入り込むスキがまだあるなと、楽しく書いています」と楽しげな表情を見せる。
朝ドラ同様、大河ドラマも長丁場だが、脚本を書く上で「苦労はない」と現時点での手応えを語る宮藤さん。「逆に、尺が足りないというか……3月ぐらいまでやらせてくれないかな(笑い)」と意欲的に語っていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に、歌手で俳優の星野源さんが出演することが12月14日、明らかになった。1964年五輪の開催地を決めるミュンヘンIOC総会で、最終スピーチの大役を任される外交評論家・ジャーナリストの平沢和重役で、劇中では平沢の“伝説のスピーチ”を完全再現しているという。
同日、渋谷の同局で行われた会見に出席した制作統括の訓覇圭チーフプロデューサー(CP)は、伝説のスピーチシーンについて、星野さんが全て英語のせりふをカンペなしで行ったことを明かした上で、「びっくりするくらい英語がうまかった。すごいけいこをされたんじゃないですかね。完璧に(せりふ)入っていました」と感心。また起用理由に「インテリジェンス」と「華やかさ」を挙げた。
会見には星野さん本人も登場。星野さんは「台本の最後のところに『英語で』って書かれていて、すごいことになったな」と振り返りつつ、「平沢さんは調べれば調べるほど、人間的にかっこいい、すてきな人だなって演じさせていただきました、と言いたいんですけど、まだほとんど撮っていない。(スピーチは)ほとんど英語だったので、日本語をしゃべっていない」とぼやいていた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の新キャスト発表会見が12月14日、東京・渋谷の同局で行われ、小泉今日子さん、星野源さん、松坂桃李さんらの出演が明らかにされた。
そのほか松重豊さん、岩松了さん、永島敏行さん、柄本時生さん、ベンガルさん、根岸季衣さん、大方斐紗子さんの出演も発表された。
星野さんは外交評論家・ジャーナリストの平沢和重役、松坂さんは日本オリンピック委員会常任委員の岩田幸彰役、松重さんが東京都知事の東龍太郎役、そして小泉さんが志ん生の長女・美津子役で、ドラマには後半から本格的に登場する。
◇今回発表されたキャスト(敬称略)/演じる役
星野源/外交評論家、ジャーナリスト・平沢和重▽松坂桃李/日本オリンピック委員会常任委員・岩田幸彰▽松重豊/東京都知事・東龍太郎▽小泉今日子/志ん生の長女・美津子▽岩松了/第2代大日本体育協会会長・岸清一▽永島敏行/大日本体育協会副会長・武田千代三郎▽柄本時生/孝蔵の噺家(はなしか)仲間・万朝▽大方斐紗子/四三の祖母・金栗スマ▽ベンガル/京都帝国大学教授・田島錦治▽根岸季衣/田畑政治の母・田畑うら
2019年放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で主演を務める中村勘九郎さん、阿部サダヲさんが12月5日、東京・渋谷の同局で行われた「大河ドラマ主演 バトンタッチセレモニー」に登場。放送中の同ドラマ「西郷(せご)どん」で、主人公・西郷隆盛を演じてきた鈴木亮平さんからドラマにちなんで“たすき”をかけられた勘九郎さんは「心も体も大きな、愛あふれる西郷さんからたすきをいただけて、身が引き締まる思いでいっぱいです」と語った。
一方、阿部さんは「ここからドラマをつないでいきたいと思っています。このたすきを勘九郎さんから受け継いで、また次の大河に届けたいと思います。全力で頑張りたいと思います」と誓った。
「いだてん」は「オリンピック」をテーマに、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ50年にわたって描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になる。
勘九郎さんは日本最初の五輪選手となる金栗四三役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。19年1月6日からスタートする。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」のティザーサイトと公式ツイッターが11月9日、開設された。ドラマのロゴやティザー動画も公開され、動画には主演を務める中村勘九郎さんや阿部サダヲさんに加え、綾瀬はるかさん、ビートたけしさん、役所広司さんらが登場している。
2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」のロケ地、ワープステーション江戸(茨城県つくばみらい市)で7月20日、撮影の合間に会見が行われ、主人公の金栗四三を演じる中村勘九郎さんらが出席。勘九郎さんは「ご覧になった方々が口々に『こんな大河見たことない』とおっしゃってくれるような、最高の作品になっていると思うので、ぜひぜひ期待して待っていてくださいませ」と自信たっぷりに呼びかけた。
さらに勘九郎さんは「ご覧の通り、豪華ですてきで、ちょっと奇抜な俳優陣、この暑さにも負けない熱い魂を持って、良いものを撮ろうとするスタッフの皆様と共に、このテーマパークに足を踏み入れたような新セットで毎日撮影ができていること、本当に幸せに思います」とかみ締めるように語った。
この日は、近現代セットで「新橋駅・駅前広場 ストックホルムに向かう出発のシーン」を収録。日本初の五輪選手の一人、三島弥彦役の生田斗真さんは「こうやって皆さんにご覧いただいている通り、本当にとんでもないスケールで大河ドラマ『いだてん』が撮影されております。そしてここにお集まりの先輩方、俳優さんたちの熱い思いを毎日受けております。毎日の撮影がワクワクしていて、早くお客様に届けたいなという思いでいっぱいでございます」と思いを明かした。
取材会には永山絢斗さん、満島真之介さん、近藤公園さん、武井壮さん、シャーロット・ケイト・フォックスさん、古舘寛治さん、杉本哲太さん、竹野内豊さん、役所広司さんも出席した。
19年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ50年にわたって描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。放送は2019年1月から。
俳優の志賀廣太郎さんが、2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」を体調不良のため降板することが4月26日、分かった。志賀さんは、中村勘九郎さんが演じる主人公・金栗四三の妻の春野スヤ(綾瀬はるかさん)の父、春野先生を演じる予定だった。代役として佐戸井けん太さんが出演する。
「いだてん~東京オリムピック噺~」は、「オリンピック」をテーマに日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。放送は2019年1月から。
歌舞伎俳優の中村勘九郎さんが4月7日、熊本県で行われた2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の会見に登場。日本最初のオリンピック選手となる主人公・金栗四三役の中村さんは中学時代を熊本ロケで撮影したといい、「今日クランクインさせていただいて、撮影の方は私、本日15歳ということで、36歳になったんですけれど、こんな中学生の格好をしています。中学生の役をやるとは思っていませんでした」と驚きを語った。
取材会には四三の幼なじみ・美川秀信役の勝地涼さん、四三の兄・金栗実次役の中村獅童さん、後の四三の妻・春野スヤ役の綾瀬はるかさんも出席。中村さんは「勝地さんとともに同級生として、授業をしたり、1日目から楽しい撮影ができました。金栗さんの生まれた熊本の地で撮れたというのもうれしいですし、今後も熊本にも訪れると思うので、思い出が作れたらいいなと思います」と話すと、「宮藤(官九郎)さんの脚本がめちゃくちゃ面白いので、2019年の大河ドラマ、めちゃくちゃ面白いものになるとおもいます」と早くも手応えを感じている様子だった。
また、綾瀬さんは「私は明日から撮影に入ることになりますが、この熊本の美しい景色の中でキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できることを本当に楽しみにしています。主人公の“いだてん”の後を一生懸命追いかけて、1年半疾走したいと思います」と力を込めていた。
2019年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは1986年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。放送は19年1月から。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の新キャストが3月30日に発表され、女優の山本美月さんが女性記者の本庄を演じることが分かった。山本さんが大河ドラマに出演するのは今回が初。また俳優の満島真之介さんが、日本最初のスポーツ同好会「天狗倶楽部(てんぐくらぶ)」の名物男・吉岡信敬役で大河ドラマに初出演することも明らかにされた。
山本さん扮(ふん)する本庄は、華やかな美貌とは裏腹に、どこか男っぽいところがある。黎明(れいめい)期だったスポーツに強い関心を持ち、オリンピックに出場する金栗四三(中村勘九郎さん)や三島弥彦(生田斗真さん)たちを熱心に取材する……という役どころ。一方、満島さん演じる吉岡は、日本最初の応援団長として東京の学生には有名で、三島弥彦とは熱い友情で結ばれ、全国各地で熱心に応援活動を繰り広げた結果、付いたあだ名は“ヤジ将軍”という人物だ。
そのほか、金栗四三の父親・信彦を田口トモロヲさん、母親のシエを宮崎美子さん、のちに金栗四三の妻となるスヤの父親・春野先生を志賀廣太郎さんが演じ、“落語の神様”と呼ばれる古今亭志ん生の妻・美濃部りん(おりん)役で池波志乃さん、志ん生の弟子・今松役で荒川良々さん、小説家の押川春浪役で武井壮さん、大隈重信役で平泉成さんの出演も決定。さらに井上肇さん、近藤公園さん、小澤征悦さん、白石加代子さん、高橋洋さんも登場することが決まった。
19年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は、勘九郎さんと阿部サダヲさん。勘九郎さんは日本人初のオリンピック出場選手の金栗役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。放送は19年1月から。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の新キャストが3月30日に発表され、女優の池波志乃さんが“落語の神様”と呼ばれる昭和の大名人・古今亭志ん生の妻の美濃部りん(おりん)役で出演することが分かった。 池波さんは5代目古今亭志ん生の孫にあたり、自身の祖母を演じる。
約20年ぶりの女優復帰で、池波さんは「思うところあって、20年近く休業していた女優をやらせていただく決意をしたのは、祖母の役だからです。35年前に演じていますが、若い時の祖母は私にとっても想像の人物でした。今回は今の私と同世代、その頃の『りん』は子供心にもはっきり覚えています」といい、「何より楽しみなのは、容姿以外はある意味そっくりな?最高の志ん生・ビートたけしさんと共演できること! 噺家のおかみさんとして、家族や弟子たちを下町の家で守ります」と意気込んでいる。
また番組題字を横尾忠則さんが手掛けたことも発表。横尾さんは「『いだてん』は韋駄天と書く。仏舎利を奪って逃げた鬼を追っかけて捕まえた神様のことを言うらしい。鬼よりも速い神様だったのだろう。『いだてん』とはとにかく速く走ることだということを子供の頃から何となく知っていた。そんなわけで走り続けるドラマになってもらいたい」と思いを明かしている。
歌舞伎俳優の中村勘九郎さんが演じる主人公の一人・金栗四三の父親の信彦を田口トモロヲさん、母親のシエを宮崎美子さん、のちに金栗四三の妻となるスヤの父親の春野先生を志賀廣太郎さん、古今亭志ん生の弟子の今松を荒川良々さん、大隈重信を平泉成さんが演じ、武井壮さんや山本美月さん、井上肇さん、近藤公園さん、満島真之介さん、小澤征悦さん、白石加代子さん、高橋洋さんの出演も明らかにされた。
19年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。勘九郎さんは日本人初のオリンピック出場選手の金栗役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。
放送は19年1月から。
女優の橋本愛さんが11月29日、東京・渋谷のNHKで開かれた2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の会見に登場した。脚本の宮藤官九郎さんとはNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」以来となる橋本さんは「私も、数年たって視野も広くなっていると思う。その視野で宮藤さんの脚本を見たときにどんな世界が映るのか楽しみです。新しい風に乗っていけたらいいなと思います」と意気込んだ。
浅草の遊女で姉御肌の女性・小梅を演じる橋本さんは「オリジナルのキャラなので、参考にする人物もいません。自分の感じたように、豊かさを与えられたら。後はドラマの現場のスピードに振り落とされないようついていけたらいいな。慎重にやっていこうと思います」と話した。
女優の川栄李奈さんが11月29日、東京・渋谷のNHKで開かれた2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の会見に登場した。同作は宮藤官九郎さんが脚本で、川栄さんは「私は3、4年前に宮藤さんの脚本のドラマに出させていただいたのですが『こんな楽しい世界があるんだ。その世界に入れた自分が幸せ』と思った」と振り返り、今回のドラマについて「私の引き出しは少ないのですが、その中から出せたらいいな」と意気込んだ。
川栄さんは、古今亭志ん生(ビートたけしさん)の弟子・五(ご)りん(神木隆之介さん)の恋人で、明るく物おじしない女性・知恵を演じる。川栄さんは「五りんさんを強く引っ張っていけるような女性をやりたい。一生懸命頑張ります」とアピールした。
「いだてん」は、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。主演は、歌舞伎俳優の中村勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶりとなる。
タレントのビートたけしさんが11月29日、東京・渋谷のNHKで開かれた2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の会見に登場した。“落語の神様”と呼ばれる昭和の大名人、古今亭志ん生を演じるたけしさんは、ドラマついて聞かれると「なぜオレを大河に使ってくれたか意味が分からない」と答えるなど、変わらずの“たけし節”だった。
宮藤官九郎さんの脚本について、たけしさんは「宮藤さんのお芝居は嫌いじゃない。弟子にファンがいるし、そっちに教えてもらうことが多い。うまくこなせるか分からないですが、楽しみにしています」とやんわり話した。しかし、NHKには「大河は収録が長いので、頭が痛くなる。どうにかならないか」と早速注文を付けた。たけしさんが大河ドラマに出演するのは2003年の「武蔵 MUSASHI」以来2回目となる。
タレントのビートたけしさんが、宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で“落語の神様”と呼ばれる昭和の大名人、古今亭志ん生を演じる。起用理由について、制作統括の訓覇圭さんは「私には、たけしさんが“神様”であるので、“神様”は“神様”にやっていただけるのが一番」と明かした。
訓覇さんは起用理由について詳細をたずねられると「志ん生さんもたけしさんも恐れ多くてコメントできない」としながらも、「志ん生さんを演じられるのはたけしさんではないかと思うのです。そういう“つながり”が視聴者に伝われば」と話した。また「信じられないぐらいうれしい。(オファーをするときには)本当にドキドキしていた」と話して、念願の起用であることをうかがわせていた。
タレントのビートたけしさんが、宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で“落語の神様”と呼ばれる昭和の大名人、古今亭志ん生を演じることが明らかになった。11月29日、東京・渋谷の同局で開かれた会見で発表された。志ん生は「東京オリムピック噺」を劇中で語る“ドラマの顔”といえる重要人物になる。会見に出席したたけしさんは「(志ん生は)自分が尊敬する落語家。(役が)きたことがうれしくてしょうがない」と喜びを爆発させた。
たけしさんは「ほとんどの仕事にプレッシャーかかったことはないが、ひさびさ(のプレッシャー)。夜中に落語をしたり、頑張っています。雰囲気がでればいい。国宝みたいなひとだったから」と話し、「あとは官九郎さんが書いた台本のせいです」と話して笑わせた。
また若き日の志ん生、美濃部孝蔵を森山未來さん、志ん生の弟子の五りんを神木隆之介さん、浅草の遊女の小梅を橋本愛さん、浅草の人力車夫・清さんをロックバンド「銀杏BOYZ」の峯田和伸さん、五りんの恋人の知恵を川栄李奈さん、“伝説の落語家”橘家圓喬を松尾スズキさんが演じることも発表された。
「いだてん」は、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。主演は、歌舞伎俳優の中村勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶりとなる。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の音楽を、大友良英さんが担当することが11月1日、分かった。大友さんは13年前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」でオープニングテーマなどを手がけたほか、「潮騒のメモリー」「暦の上ではディセンバー」の作曲に参加。レコード大賞作曲賞ほか数多くの賞を受賞と大きな話題を集めた音楽家で、宮藤さんとの再タッグが実現する。
19年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は、歌舞伎俳優の中村勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。勘九郎さんは日本人初のオリンピック出場選手の金栗四三役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。
演出は井上剛さん、制作統括を訓覇圭チーフプロデューサー(CP)が担当するなど「あまちゃん」のスタッフが再結集。大友さんは「『もう、この音楽は、お調子もんの私がやるしかない、ぜひ私に任せてください!』と思わず、名指しされたと同時に思いっきり手を挙げてしまいました」と言い、「さてさて、どんな音楽になることやら、大河史上類のないくらいの奇作迷作になるか、はたまた大傑作になるかは、始まってからのお楽しみにということで!」とコメントを寄せている。
音楽グループ「電気グルーヴ」のメンバーで俳優としても活躍するピエール瀧さんと俳優の役所広司さんが、2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で共演することが11月1日、分かった。瀧さんは東京・大塚の足袋屋の店主で、歌舞伎俳優の中村勘九郎さんが演じる主人公・金栗四三とマラソン用の足袋開発に二人三脚で取り組むことになる黒坂辛作、役所さんは金栗の恩師で、日本の五輪初出場のために奮闘し、選手団団長として参加する“日本スポーツの父”嘉納治五郎を演じる。
瀧さんと役所さんは現在、資金繰りに苦しむ老舗の足袋業者が新規事業としてスポーツシューズの開発に挑み、世界的なスポーツ会社と対決する「企業再生ストーリー」として話題のTBS系の連続ドラマ「陸王」に出演中。「陸王」では、役所さん扮(ふん)する主人公の“ライバル”となる大手スポーツ会社の営業部長を演じている瀧さんは、「(「いだてん」でも)マラソン用の履物を開発するっていうことで、何か初めて聞く設定じゃないんですけど……」と話し、役所さんや周囲の笑いを誘った。
19年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、宮藤官九郎さんが脚本を手がける。日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリーで、戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は、勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。勘九郎さんは日本人初のオリンピック出場選手の金栗四三役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。
女優のシャーロット・ケイト・フォックスさんが、2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に出演することが11月1日、分かった。フォックスさんは、竹野内豊さんが演じるストックホルム五輪日本選手団監督・大森兵蔵の妻の安仁子役で、今回が大河ドラマ初出演となる。
14年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「マッサン」のヒロイン役でも知られるフォックスさんは同日に行われた会見に出席し、「またNHKでお仕事できてうれしいです。本当に本当に光栄です」と喜んだ。
19年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、宮藤官九郎さんが脚本を手がける。日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリーで、戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は、歌舞伎俳優の中村勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。勘九郎さんは日本人初のオリンピック出場選手の金栗四三役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。
フォックスさんのほか、女優の杉咲花さん、俳優の永山絢斗さんも大河ドラマ初出演が決定。金栗の盟友・三島弥彦の家の女中・シマ役の杉咲さんは、「昨日、緊張からか突然、肌がボコボコしてきて、びっくりしたんですけど、本当に撮影は楽しみで、素晴らしい先輩方の皆さんとご一緒させていただけることに幸せに思っています」、金栗の東京高等師範学校の後輩・野口源三郎役の永山さんは「とにかくワクワクしています。宮藤さんはいつもとんでもない役を振ってくるのでそれも楽しみ」と話していた。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の新キャストが11月1日、東京・渋谷の同局で発表された。中村勘九郎さんが演じる主人公・金栗四三の妻役で綾瀬はるかさんが出演する。綾瀬さんは「宮藤官九郎さんの脚本ということで非常にワクワクしています。撮影が楽しみでなりません」と笑顔で語った。
また、大竹しのぶさん、生田斗真さん、中村獅童さん、シャーロット・ケイト・フォックスさん、竹野内豊さん、役所広司さん、杉本哲太さん、杉咲花さん、永山絢斗さん、勝地涼さん、ピエール瀧さん、古舘寛治さんも出演する。
綾瀬さんは金栗の妻・春野スヤ役、生田さんは金栗の盟友・三島弥彦役、杉咲さんは三島家に仕える女中・シマ役、永山さんは金栗の東京高等師範学校の後輩・野口源三郎役、勝地さんは東京高等師範学校の同級生・美川秀信、竹野内さんはストックホルム五輪日本選手団監督・大森兵蔵役、獅童さんは四三の兄、金栗実次役、フォックスさんは大森兵蔵の妻・安仁子役。
古舘さんは東京高等師範学校の助教授・可児徳役、ピエール瀧さんは「足袋のハリマヤ」店主・黒坂辛作役、杉本さんは東京高等師範学校教授・永井道明役、大竹さんは金栗の養母・池部幾江役、役所さんは金栗が進学した東京高等師範学校の校長で恩師となる嘉納治五郎役を演じる。大河ドラマ初出演は、杉咲さん、永山さん、フォックスさんの3人。フォックスさんは「またNHKでお仕事できてうれしいです。本当に本当に光栄です」と喜びを語った。
19年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
主演は、歌舞伎俳優の勘九郎さんと俳優の阿部サダヲさん。勘九郎さんは日本人初のオリンピック出場選手の金栗役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、勘九郎さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。
歌舞伎俳優の中村勘九郎さんが、2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で阿部サダヲさんとダブル主演を務めることになり、4月3日、東京・渋谷の同局で行われた会見に出席した。12年に亡くなった父の勘三郎さんが1999年放送の大河ドラマ「元禄繚乱」に主演しており、親子二代での大河主演俳優となった勘九郎さんは「素直にうれしいです」と喜びを語った。
一方で、ドラマで描く時代が明治の終わりから昭和と近現代史になるということで、勘九郎さんは「歌舞伎役者なのに現代って(いう意味では)父に勝ったんじゃないかな」とにやり。勘三郎さんから大河ドラマの話は「飲んでいる話しか聞いていない」といい、「(勘三郎さんが生きていたら)『自分も出せ』っていうんじゃないかな」と笑わせた。
2019年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。脚本は宮藤官九郎さんが担当する。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。勘九郎さんは日本人初のオリンピック出場選手の金栗四三役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で出演する。
NHKは4月3日、東京・渋谷の同局で会見を開き、2019年のNHK大河ドラマのタイトルが「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に決まり、主演として中村勘九郎さんと阿部サダヲさんを起用したことを発表した。ドラマは宮藤官九郎さんのオリジナル脚本で主演は“リレー形式”になることも明らかにされた。大河ドラマの主演がリレー形式になるのは、00年放送の「葵 徳川三代」以来、19年ぶりとなる。
19年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
宮藤官九郎さんが脚本を手がける2019年のNHK大河ドラマの主演を、中村勘九郎さんと阿部サダヲさんが務めることが4月3日、明らかになった。同日、NHK放送センター(東京都渋谷区)で開かれた会見で発表された。ドラマは宮藤さんのオリジナルでタイトルが「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に決まったことも明らかにされた。
中村さんは日本人初のオリンピック出場選手の金栗四三役、阿部さんはコーチとして日本水泳の礎を築き、「東京オリンピック」実現に執念を燃やす政治記者・田畑政治役で、中村さんと阿部さんは“リレー”形式で主演のバトンをつなぐという。
2019年の大河ドラマのテーマは「オリンピック」で、日本人が初めてオリンピックに出場した明治の終わりから、東京にオリンピックがやってきた1964年までの、およそ50年を描くオリジナルストーリー。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇になるという。大河ドラマで近現代史を取り上げるのは86年の「いのち」以来、33年ぶり。
演出は井上剛さん、制作統括を訓覇圭チーフプロデューサー(CP)が担当し、13年前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」のスタッフが再結集することでも話題を集めている。