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伊藤健太郎「東京ラブストーリー」なぜカンチ役? 「昼顔」で“発掘”したドラマPが語る魅力

伊藤健太郎さんが主演を務める連続ドラマ「東京ラブストーリー」のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
伊藤健太郎さんが主演を務める連続ドラマ「東京ラブストーリー」のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

 柴門ふみさんの同名マンガを約29年ぶりに再ドラマ化した連続ドラマ「東京ラブストーリー」で主人公の永尾完治(カンチ)を好演した俳優の伊藤健太郎さん。「東京ラブストーリー」の清水一幸プロデューサーは、伊藤さんがドラマデビューした連続ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ系、2014年7月期放送)でもプロデューサーを務めていた。今作のいわゆる“令和版”のカンチについて「普通オブ普通」の男と説明し、同役を演じられるのは「伊藤さんしか浮かばなかった」という清水プロデューサーに起用理由と伊藤さんの魅力を聞いた。

 ◇マイルドな顔、体形、雰囲気などが“味”

 ドラマの物語は、愛媛から上京してきた完治、自由気ままな性格で、完治に好意を寄せる赤名リカ、完治の高校の同級生の三上健一、同じく同級生で完治が思いを寄せる関口さとみ、三上の大学の同級生・長崎尚子が織りなすラブストーリーだ。1991年に鈴木保奈美さんと織田裕二さん共演で制作された“平成版”は、最高視聴率32.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、期間平均視聴率22.9%(同)をマーク。小田和正さんが歌った主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」も大ヒットした。

 “令和版”は原作と同様、完治が主人公。しかし、原作の完治は女性に慣れている部分があり、プレーボーイの三上と差別化できなくなるため、“平成版”と同様、優柔不断で優しく温かいという設定だ。清水プロデューサーは「田舎から上京し、どこにでもいるような男の完治を誰が演じたら面白いかと考えたときに、伊藤さんにしかできないと思った」と言い切るほど、強い気持ちでオファーした。

 その裏には「“普通の男”を上手に演じられる俳優はなかなかいない」という理由があった。「伊藤さんの顔はマイルドなので、優柔不断な完治が戸惑う姿などにいやらしさがない。“普通に見せる演技”は演じようと思ってもなかなかできるものではありません。体形を含めた雰囲気など、全てが彼の“味”」と、“普通の男”を体現させることができる要素を明かした。

 ◇「昼顔」はオーディションで 「今日俺」、朝ドラにも

 では、伊藤さんは“普通に見せる演技”をどのように手にしていったのか。伊藤さんは「健太郎」名義で2014年放送の「昼顔~」でドラマデビュー。上戸彩さん扮(ふん)する主人公が、夫がいない平日昼間に不倫をする姿を描く同作で、伊藤さんは母親の不倫が原因で家庭が崩壊した木下啓太役をオーディションで勝ち取った。清水プロデューサーは、大人たちに反発する木下を迫真の演技で表現した伊藤さんについて「オーディションで見た演技で、監督と相談して彼に決めた。演技は本当にすてきでした」と振り返る。

 その後、2015年に放送された「学校のカイダン」(日本テレビ系)では、スクールカーストの上位に位置する高校生、2016年放送の「仰げば尊し」(TBS系)では、吹奏楽部の顧問を信用していなかったが徐々に感化されていく副部長を演じた。2017年9月に放送されたNHKの連続ドラマ「アシガール」では、原作ファンから人気の高い若君・羽木九八郎忠清を演じて高評価を得た。

 「アシガール」でブレークした同年、伊藤さんは、清水プロデューサーが企画したドラマ「パパ活」(dTV、FOD)にも出演。ヒロインに思いを寄せながらも複数の女性と遊ぶコック見習いを演じ、ヒロインに対する心の機微を巧みに表現。清水プロデューサーは「とても素晴らしかったです。世の中にこういう男いるよなって思わせるような演技を見せてくれました」と絶賛している。

 伊藤さんにとって、大きな転機となったのが2018年の21歳の誕生日を機に本名の「伊藤健太郎」に改名して出演した「今日から俺は!!」(日本テレビ系)だろう。三橋貴志(賀来賢人さん)をはじめ、個性が強いキャラクターたちが躍動する中で、トゲトゲ頭のツッパリ高校生・伊藤真司を演じた伊藤さんは、正義感が強く真面目な伊藤を“普通”にしっかりと演じてほかの登場人物とのいいコントラストとなり、存在感を示した。

 翌年9月から放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」では“朝ドラデビュー”にも関わらず、ヒロイン・川原喜美子(戸田恵梨香さん)の息子・武志を好演。過酷な運命に揺れる武志の心優しい部分を深く理解した伊藤さんの繊細な演技は、卓越した演技力で知られる戸田さんを前にしても遜色なく、多くの視聴者の涙を誘った。

 ◇各作品のプロデューサーが認める演技力 カメラが止まっているときも“普通”?

 大人に反発する学生、ツッパリ、真面目な青年とさまざまなタイプのキャラクターを演じられるだけでなく、アプローチが異なるとされる時代劇でも高評価を得た伊藤さんの演技について、清水プロデューサーは「僕も含めたプロデューサーが、彼の演技力を高く評価している」と断言。「演技という部分で見いだされ、彼がどんな役にでも向き合ってきた真摯(しんし)な姿勢がとにかくすごい」とたたえた。

 “令和版”での「普通オブ普通」の完治を演じるには、伊藤さんが持つ“味”と、さまざまなタイプのキャラクターを通じて磨き続けた「演技力」が必要だったと説明する清水プロデューサー。しかし、カメラが止まっていたときに「完治なのか、伊藤さんなのか、分からないときがあった」と明かし、「それぐらい“普通に見せる”というのは、彼の演技力なのかもしれないし、素の部分なのかもしれません。(次回、一緒に仕事をした時に)聞いてみたい」と語っていた。新人のころから何度も起用しているプロデューサーが分からないというのも俳優としての底知れなさをうかがわせる。

 伊藤さんが演じた“令和版”のカンチは、「普通オブ普通」ながら、決して“平凡”ではなく、魅力的なキャラクターに仕上がっている。そんなカンチだからこそ、リカをはじめとした“濃い”キャラクターたちを相手にしても、かすむことなくどこか心引かれてしまうのだ。物語は、最終第11話が「Amazon Prime Video」と「FOD」で配信され、すでに完結している。伊藤さんが演じた唯一無二の「普通オブ普通」の男の恋模様を、最後まで見守りたい。

 

<特集>「東京ラブストーリー」29年ぶりの再ドラマ化で「開けにいったパンドラの箱」 親子2世代で楽しむ“狙い”も

「東京ラブストーリー」のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
「東京ラブストーリー」のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

 俳優の伊藤健太郎さんや女優の石橋静河さんらの出演で、約29年ぶりに再ドラマ化された「東京ラブストーリー」。鈴木保奈美さんと織田裕二さんのダブル主演で1991年に放送された“平成版”は、“伝説のドラマ”だっただけに、今回の再ドラマ化を「パンドラの箱を開けるようなものだった」と語る“令和版”の清水一幸プロデューサー。どうして“箱を開けた”のか。そこには王道ラブストーリーへの“想い”があった。

 ◇東京ラブストーリーの魅力は恋愛模様が普遍的

 「東京ラブストーリー」は、「家族の食卓」「あすなろ白書」(共に小学館)などを手掛けた柴門ふみさんの同名マンガが原作。自由気ままで恋愛にまっすぐな赤名リカ、リカに好意を寄せられる永尾完治(カンチ)、完治の高校の同級生の三上健一、同じく同級生で完治が思いを寄せる関口さとみ、三上の大学の同級生・長崎尚子が織りなすラブストーリーだ。鈴木さんがリカ、織田さんが完治を演じた“平成版”は、最高視聴率32.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、期間平均視聴率22.9%(同)をたたき出し、小田和正さんが歌った主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」も大ヒットした。

 清水さんは高校生のときに“平成版”を見てハマった一人で、それからドラマ制作に興味を持ち、これまで連続ドラマ「のだめカンタービレ」「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」「最高の離婚」などの制作に携わってきた。

 柴門さんのマンガを読みあさったという清水さん。作品の魅力について「上京した都会で今まで会ったことのないようなタイプの女性と恋をしたり、高校時代の幼なじみとの恋愛模様など、永遠に普遍的だと思う」と分析。「そこの部分さえ変えなければ、今の時代に置き換えられる」と考えた。

 ◇恋愛は現代でも「すれ違う」 現代の“カップルあるある”も盛り込んだ

 原作は完治が主人公で、“平成版”はリカを主軸として描かれた。再ドラマ化するなら「同じものを作ってもしょうがない」と、原作を「どういうふうに料理すればいいのか、とことん突き詰めた」。そして、“令和版”は原作と同様、完治(伊藤さん)を主人公とした。しかし、原作の完治は女性に慣れている部分があり、遊び慣れている同級生の三上健一と差別化できなくなるため、“平成版”と同様、優柔不断で優しく温かいキャラクターにしたという。

 一方、石橋さん演じるリカの設定には「僕も迷宮に入りました」と苦笑いするほど悩んだという。しかし、「今までに見たことがないリカ像を重要視し、『私はこう思っているんだ』って強い気持ちを発言できたり、自分が思っていることを表現できるような女性が良いと思いました。それが“現代の赤名リカ”として一番良い形だと思った」と“強い女性像”を打ち出した。

 また、携帯電話が普及していなかった時代に作られた“平成版”の印象から、「東京ラブストーリー」というと、連絡が取り合えない、会えないといった“すれ違い”がもどかしい恋愛模様をイメージする人が多いだろう。しかし、清水プロデューサーは「現代でも、携帯電話があるからといって確実に連絡が取り合えるとは思いません。LINEやメールをすぐ返す場合と、わざと時間をおいて返信したり、または無視したりする」と説明。「告白してうまくまとまる。先を越されて相手を取られてしまう。悲しいときに寄り添ってくれたという部分も、この作品の魅力の一つなので、時代とは関係ない」と言い切る。

 “令和版”の劇中では、リカが完治を呼び出すときにスマートフォンで位置情報を送ったり、さとみが尚子の存在を知り、SNSで名前検索をする描写もあった。「文明の利器は利用しようと思いました。エゴサーチもさせちゃおうと(笑い)」といい、現代の“カップルあるある”を盛り込み、作品を“アップデート”した。

 ◇王道ラブストーリーが少ない地上波 「親と子の2世代で一喜一憂」の“狙い”も

 アップデートされた“令和版”は配信されている「Amazon Prime Video」の評価やSNSで「大きく良い方に期待を裏切られた」「現代っぽいオシャレな演出」「令和版としてフィットしている!」といった声が上がっている。

 清水さんは「ドラマの制作を発表したときに、いろいろな意見をいただきました。誰かにやれと言われたわけではなく、自分からやったことですし、触れてはいけないパンドラの箱をわざわざ開けに行ったと僕自身、思っています。見てくださっている方が一人でも多くいて、反響の声をいただけるのはうれしいですし、やってよかった」と胸をなで下ろしているという。

 こういった反響の声について「男女の恋愛はいつの時代も変わらない。登場人物たちのように、誰にでも起きるようなことに少しでも共感をしていただけているのだと思います」と話しつつ「地上波に王道のラブストーリーが少ない」ことも要因として指摘する。近年では「逃げるは恥だが役に立つ」「恋はつづくよどこまでも」(共にTBS系)のように、爆発的に人気が高まる作品はあるが「やっぱり地上波では医療、刑事、弁護士ものが多い。私たちがドラマに夢中だったころは、憧れるような恋愛作品がたくさんありました。ストレートに恋愛している作品がなかなかない」と分析していた。

 約29年ぶりに再ドラマ化された「東京ラブストーリー」。清水さんには「ひょっとしたら、親と子の2世代で一喜一憂してもらえるんじゃないか」という思いもあった。「『昔は織田さんと鈴木さんがやってて、すごかったんだよ』とか、親子の会話のきっかけになってもらえたらうれしい」と笑顔を見せた。

 「東京ラブストーリー」は“平成版”“令和版”ともに「Amazon Prime Video」と「FOD(フジテレビオンデマンド)」で配信。“令和版”の最終話となる第11話も6月3日午前0時に配信予定で、果たしてどういった結末を迎えるのか楽しみにしたい。

“カンチ”伊藤健太郎と“さとみ”石井杏奈が急接近? “リカ”石橋静河は米国へ

連続ドラマ「東京ラブストーリー」第9話のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
連続ドラマ「東京ラブストーリー」第9話のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

 俳優の伊藤健太郎さんや女優の石橋静河さんらが出演する連続ドラマ「東京ラブストーリー」第9話「遠く離れても」と第10話「秘密」の配信が5月27日、フジテレビの動画配信サービス「FOD(エフオーディー)」と「Amazon Prime Video」でスタートした。

 完治(カンチ、伊藤さん)から「リカは自分のことしか考えていない」と言われたリカ(石橋さん)は、「ニューヨークに行く!」と言い残し、完治の家を飛び出した。その後、完治はリカを捜しあて、なんとか仲直りをしてから送り出すことができた。

 数日後、三上(清原翔さん)と別れたさとみ(石井杏奈さん)は、急きょ来られなくなったトキコ(手島実優さん)の代わりに完治を映画に誘う。気分転換に誘いを受けた完治だったが、映画館で三上と長崎(高田里穂さん)に出くわす……。

(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

“カンチ”伊藤健太郎が病院へ走る! “リカ”石橋静河が緊急搬送され… 第3話&第4話が配信

「東京ラブストーリー」第3話のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
「東京ラブストーリー」第3話のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

 俳優の伊藤健太郎さんや女優の石橋静河さんらが出演する連続ドラマ「東京ラブストーリー」の第3話「逢えない時間」と第4話「雨傘と嘘」の配信が5月6日、フジテレビの動画配信サービス「FOD(エフオーディー)」と「Amazon Prime Video」でスタートした。

 一夜を共にした完治(カンチ、伊藤さん)とリカ(石橋さん)だったが、朝起きるとリカの姿はなかった。どんな顔をしてリカに会えばいいのか分からないまま会社に出社した完治は、無神経な一言でリカを怒らせてしまう。その後、リカが現場の足場から落ちて緊急搬送されたという連絡が入り、完治は慌てて病院に走る。

 一方、交際を開始し、幸せな日々を過ごす三上(清原翔さん)とさとみ(石井杏奈さん)。ある日、さとみは三上のかばんからアクセサリーの箱を見つける。自分へのプレゼントだと思っていたさとみだったが、数日後にまたかばんの中を確認するとアクセサリーがなくなっていた……というストーリー。

(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

『東京ラブストーリー』令和版としてアップデート? 赤名リカの設定、“すれ違い”を平成版と比較 あのせりふは…

「東京ラブストーリー」のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
「東京ラブストーリー」のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

 俳優の伊藤健太郎さんや女優の石橋静河さんらの出演で、約29年ぶりに再ドラマ化された「東京ラブストーリー」の配信がスタートした。SNSでは視聴者から「ちゃんと令和版にアップデートされている!」「令和版としてフィットしている!」「東京ラブストーリーは色あせない」といった声が上がっている。女優の鈴木保奈美さんと俳優の織田裕二さんが共演し、1991(平成3)年1月期にフジテレビの“月9”ドラマとして放送された“平成版”から、今回の“令和版”がどのようにアップデートされているのか探ってみた。

 ◇赤名リカの設定が帰国子女から渋谷区出身“生粋の東京人”に

 原作は「家族の食卓」「あすなろ白書」を手掛けた柴門ふみさんのマンガ。自由気ままに生き、恋愛にまっすぐな赤名リカ、リカに好意を寄せられる永尾完治(カンチ)、完治の高校の同級生・三上健一、同じく完治の高校の同級生で完治が思いを寄せる関口さとみ、三上の大学の同級生・長崎尚子らが織りなすラブストーリーだ。

 いわゆる“平成版”は、リカを鈴木さん、完治を織田さん、三上を江口洋介さん、さとみを有森也実さん、尚子を千堂あきほさんが演じた。放送当時の期間平均視聴率は22.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、最終回には番組最高となる32.9%(同)の高視聴率をマークするなど、当時は「月曜の夜は街からOLが消える」と言われたほどの人気を博した。小田和正さんの歌う主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」も人気を集め、「月9の主題歌はヒットする」という代表例となった。

 一方の令和版では、リカを石橋さん、完治を伊藤さん、三上を清原翔さん、さとみを石井杏奈さん、尚子を高田里穂さんがそれぞれ演じている。

 平成版での完治とリカはスポーツ用品メーカーで働いているという設定だったが、令和版は原作と同様、広告代理店が舞台となっている。リカは、帰国子女という設定から、東京都渋谷区出身、幼稚園からエスカレーター式の私立校出身で大学まで進学した生粋の東京人に変わったのだが、興味を持った完治を振り回すなど自由気ままな姿は変わっていない。

 ◇大きく異なった完治とリカの出会い

 完治とリカが出会うシーンは平成版と令和版で大きく異なった。平成版は、愛媛から上京してきた完治が羽田空港(東京国際空港)に降り立つところから始まり、到着ロビーにはリカが迎えに来ていた。携帯電話が普及する前の時代ということもあり、リカは完治の名前が書かれた紙を両手で掲げ、周囲の目も気にせず「カンチ!ナガオカンチ!」と大声で叫んで、完治と出会う。一方の令和版では、そもそもリカが空港に来ない。空港からリムジンバスに乗った完治はリカに到着した旨を電話で伝えようとするが、リカは電話にも出ない。

 初対面の時の二人の会話の違いもユニークだ。平成版では、上京してきて不安そうな完治に、リカが「8月31日の小学生みたい。何か東京にいやなことでもあるの?」と突っ込む。「やっぱ不安ですよ。愛媛から一人で出てきて、東京で何があるか分からないし」と話す完治に「何が起きるか分からないから元気が出るんじゃない。大丈夫。笑って笑って」と話し「今、このときのために、今までのいろいろなことがあったんだって。そんなふうに思えるように。だからね、(胸に手を当てながら)バッジ付けて。その日その日の思い出をピカピカのバッジにして胸に貼って歩いて行くの。ね?」と、どこかロマンチックな言葉で完治を励ます。このリカの言葉に対して完治は「1学期の終業式の小学生みたい(笑い)」と軽妙な返しとともに元気を取り戻す。

 令和版は、羽田空港に到着すると、上司の指示通りリカに電話した生真面目な性格の完治に対し、リカは「白いご飯みたいって言われたことない? あと、電子レンジで何かを温めるとき、その場でじっと待っているタイプでしょ」と上から目線で言い放ち、完治はあっけにとられるのだ。

 ◇スマホ時代の“すれ違い”とは…

 「東京ラブストーリー」といえば、携帯電話がなく、連絡が取れない、会えないといった“すれ違い”がもどかしい恋愛模様をイメージする人が多いだろう。しかし、令和版はスマートフォンやLINEを駆使し、連絡をバンバン取り合うのだ。

 一方、スマホ時代の令和版ならではの“すれ違い”の差が面白く描かれたシーンが第1話にあった。さとみに「俺と付き合ってくれないかな」と告白した完治だが、後日、暗い表情のさとみを前にして「この前の話なんだけど。あれ、気にしないで。あの日、けっこう酔っ払ってたみたいでさ。変なこと言って悪かったなと思っていたんだよね」「関口のことも三上のことも大切な友達だと思っている。その関係をこれからも大切にしたいというか……。だから、困らせて本当にごめん」と先手を打つ形で告白をキャンセルするのだ。相手との距離感が変わったり、衝突したりすることを忌避するとも言われがちなスマホ時代ならではの“すれ違い”となっている。

 その後、完治はリカに「撃沈しました」というメッセージを送り、「土壇場でおじけづいて逃げた」「自分でも情けなくなりますよ」と告げる。一方のさとみは三上に「ふられちゃった。『告白したこと、なかったことにしてくれ』って」と伝え、三上との関係性を深めていく。

 平成版は、物理的な“すれ違い”が多くの視聴者をハラハラさせた。令和版では、“空気を読む”のが上手な現代の若者たちならではの“心のすれ違い”が繊細に描かれてる印象だ。また、平成版で大きな反響を呼んだ、リカの「セックスしよ」という名ぜりふも飛び出すなど、当時、夢中となった人も楽しめる構成になっている。SNSでも「令和版もめちゃめちゃキュンキュンする」「だんだんドハマりしてくる」といった声も上がっている。

 令和版の「東京ラブストーリー」はフジテレビの動画配信サービス「FOD」と「Amazon Prime Video」で配信されている。また、平成版も配信されているので、かつてのファンは当時を思い出しつつ、令和版と見比べることもできる。

 5月6日午前0時に配信される令和版の第3話では、完治とリカは一夜を共にしたが、朝起きるとリカの姿はなかった。どんな顔をしてリカに会えばいいのか分からず出社する完治だったが、無神経な一言でリカを怒らせてしまう……という展開。今後も令和版ならではの“すれ違い”が描かれていく「東京ラブストーリー」に注目だ。

伊藤健太郎、石橋静河、清原翔、石井杏奈の“現代版” 今夜、配信開始 「カンチ、キスしよっか」 第1話あらすじも

「東京ラブストーリー」第1話のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
「東京ラブストーリー」第1話のワンシーン(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

 俳優の伊藤健太郎さんや女優の石橋静河さんら出演で、約29年ぶりに現代版として再ドラマ化される「東京ラブストーリー」の第1話の配信が、4月29日午前0時からフジテレビの動画配信サービス「FOD(エフオーディー)」と「Amazon Prime Video」でスタートする。

 「東京ラブストーリー」は、「家族の食卓」「あすなろ白書」を手掛けた柴門ふみさんのマンガが原作で、米国に住んでいた経験を持ち、自由気ままに生き、恋愛にも真っすぐな赤名リカが主人公。リカに好意を寄せられる永尾完治(カンチ)や、完治の高校の同級生・三上健一、同じく完治の高校の同級生で完治が思いを寄せる関口さとみ、三上の大学の同級生・長崎尚子らが織りなすラブストーリー。

 女優の鈴木保奈美さんと俳優の織田裕二さんが共演した「東京ラブストーリー」は、1991年1月期にフジテレビの“月9”ドラマとして放送され、期間平均視聴率22.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、最終回には番組最高となる32.9%(同)の高視聴率を記録。小田和正さんの歌う主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」も人気を集めるなど、大ヒットした。

 今作では、伊藤さんが完治、石橋さんがリカを演じ、三上は清原翔さん、さとみは石井杏奈さんが演じる。主題歌は、19歳の現役大学生のVaundy(バウンディ)さんの「灯火」。

 第1話は「東京の女」。広告代理店に勤める完治は、地元の愛媛支部から東京の営業部に配属となった。同僚のリカが完治の仕事の面倒を見ることに。そんな中、完治は同じく東京にいる地元の同級生・三上から食事に誘われる。完治がずっとひそかに思いを寄せていたさとみも来ることになり、久々の再会を懐かしんでいたが、会社にいるリカから忘れた財布を届けるとの連絡があり、4人で一緒に食事することになる。その帰り道、完治はいきなりリカから「カンチ、キスしよっか」と言われ、ドギマギする。「じゃあ代わりにランチごちそうして!」と積極的なリカ。しかし、リカは上司の和賀(眞島秀和さん)と関係があると社内でうわさされていて……というストーリー。

 今回のドラマは、毎週水曜午前0時に最新話が配信される。

主題歌を19歳現役大学生Vaundyが担当 「とても光栄です」

「東京ラブストーリー」の主題歌を担当するVaundyさん
「東京ラブストーリー」の主題歌を担当するVaundyさん

 伊藤健太郎さん、石橋静河さん、清原翔さん、石井杏奈さんら出演で、約29年ぶりに現代版として再ドラマ化される「東京ラブストーリー」の主題歌を、19歳の現役大学生のVaundy(バウンディ)さんが担当することが4月13日、明らかになった。主題歌のタイトルは「灯火」。

 Vaundyさんは作詞、作曲、アレンジのすべてを自ら手掛け、アートワークや映像もセルフプロデュースするアーティスト。2019年11月にYouTubeで公開した「東京フラッシュ」がSNS上で話題となり、約2カ月で100万回再生を突破。5月27日に初のニューアルバム「strobo」を発売する。

 Vaundyさんは「初めて映像を見せていただいた時、僕の作った曲の色がぴったりと画にハマっていて、新鮮さと驚きを感じました。とても光栄です。大人の東京に、疾走感を足した見応えのある作品! 作曲者として、一視聴者として、今後この4人がどうなっていくのかとても楽しみです」とコメントしている。

<制作発表会>伊藤健太郎、29年ぶり「東京ラブストーリー」でカンチ役 「素直にうれしかった」

「東京ラブストーリー」の制作発表会に登場した(左から)石井杏奈さん、伊藤健太郎さん、石橋静河さん、清原翔さん
「東京ラブストーリー」の制作発表会に登場した(左から)石井杏奈さん、伊藤健太郎さん、石橋静河さん、清原翔さん

 約29年ぶりに現代版として再ドラマ化される「東京ラブストーリー」の制作発表会が4月1日、東京都内で開催され、俳優の伊藤健太郎さんらが登場。本作で永尾完治(カンチ)を演じる伊藤さんは、1991年に放送された連続ドラマについて「放送されている当時は生まれてもいなかった」と語り、「そんな僕らでも知っている作品だったので、令和版の主人公として出演させてもらえることは素直にうれしかった」と出演を喜んだ。

 制作発表会には赤名リカ役の石橋静河さん、三上健一役の清原翔さん、関口さとみ役の石井杏奈さんも出席した。1991年放送の連ドラは、伊藤さん以外は見ていないといい、石橋さんは「時代も違って、今生きている若者感情と当時の若者の感情はやはり少し違うと思うので、あえて前作は見ずに自由に演じたかった」と語っていた。

 この日の発表会は、新型コロナウイルスの影響で、観客や取材陣を招待せずに無観客で行われた。

(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
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29年ぶり「東京ラブストーリー」に眞島秀和、高田里穂、手島実優

FODオリジナルドラマ「東京ラブストーリー」に出演する (左から)伊藤健太郎さん、石橋静河さん、石井杏奈さん、清原翔さん (C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
FODオリジナルドラマ「東京ラブストーリー」に出演する (左から)伊藤健太郎さん、石橋静河さん、石井杏奈さん、清原翔さん (C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

 約29年ぶりに現代版として再ドラマ化される「東京ラブストーリー」(全11話)に、眞島秀和さん、高田里穂さん、手島実優さんらが出演することが3月7日、分かった。眞島さんは永尾完治(伊藤健太郎さん)と赤名リカ(石橋静河さん)が働く広告代理店の部長・和賀夏樹、高田さんは三上健一(清原翔さん)と同じ医大に通うお嬢様で優等生の長崎尚子、手島さんは関口さとみ(石井杏奈さん)の同僚の保育士の北川トキコを、それぞれ演じる。

 このほかに飯田隆裕さん、松尾英太郎さん、ぎぃ子さん、永岡卓也さん、台湾の人気俳優のフィガロ・ツェンさん、筒井真理子さんの出演も発表された。

(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
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「東京ラブストーリー」29年ぶり再ドラマ化 現代版が今春配信 カンチ役は伊藤健太郎、リカ役に石橋静河

FODオリジナルドラマ「東京ラブストーリー」に出演する (左から)伊藤健太郎さん、石橋静河さん、石井杏奈さん、清原翔さん (C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
FODオリジナルドラマ「東京ラブストーリー」に出演する (左から)伊藤健太郎さん、石橋静河さん、石井杏奈さん、清原翔さん (C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン

 女優の鈴木保奈美さんと俳優の織田裕二さんが共演し、1991年に放送されたフジテレビの大ヒットドラマ「東京ラブストーリー」が、約29年ぶりに現代版(全11話)として再ドラマ化され、フジテレビの動画配信サービス「FOD(エフオーディー)」と「Amazon Prime Video」で今春に配信されることが1月24日、明らかになった。永尾完治(カンチ)を伊藤健太郎さん、赤名リカを石橋静河さんが演じ、三上健一役で清原翔さん、関口さとみ役で石井杏奈さんも出演する。

 「東京ラブストーリー」は、「家族の食卓」「あすなろ白書」を手掛けた柴門ふみさんのマンガが原作で、米国に住んでいた経験を持ち、自由気ままに生き、恋愛にも真っすぐな赤名リカが主人公。リカに好意を寄せられる永尾完治や、完治の高校の同級生・三上健一、同じく完治の高校の同級生で完治が思いを寄せる関口さとみ、三上の大学の同級生・長崎尚子らが織りなすラブストーリー。

 1991年1月期にフジテレビの“月9”ドラマとして放送され、期間平均視聴率22.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、最終回には番組最高となる32.9%(同)の高視聴率を記録。小田和正さんの歌う主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」も人気を集めた。

 伊藤さんは「誰もが知っている『東京ラブストーリー』で完治をやらせていただけることをとても光栄に思いました。当時、社会現象になった作品でもあるので、プレッシャーがなかったというとうそになりますが、 昔の『東京ラブストーリー』にはなかったスマホや現代ならではの要素もたっぷりなので、僕らの作る令和の新しい『東京ラブストーリー』を楽しみにしていただけたらと思います」とコメント。

 石橋さんは 「このお話をいただいた時は、赤名リカという、センセーショナルな役を演じるということ、また、ちょっと恥ずかしいくらい真正面から恋愛に向き合う作品に入っていくことは、自分にとって新たな挑戦になるだろうと思い、ワクワクしました。撮影は、繊細で、真っすぐすぎる性格ゆえに、他人も自分も傷つけながらも一生懸命生きていくリカと一緒に傷つき、喜び、涙した毎日でした。リカと向き合うのはとてもエネルギーが要りましたが、こんなにもすてきな女性を演じることができて、幸せでした。それぞれのキャラクターが、誰かを愛することで成長する姿を見届けてもらえたらうれしいです」と語っている。

 原作者の柴門さんは「1991年にドラマ化された『東京ラブストーリー』が29年ぶりに再ドラマ化されることになりました。今回のドラマ化ではキャラクターは生かしつつ舞台は現代ということで、原作にはないスマホやSNSも当然登場することでしょう。東京も随分様変わりしました。スタバもユニクロもなかった時代で、カンチも三上もたばこを吸っていました。最初のドラマの時は生まれてもいなかった若い役者さんたちがカンチやリカをどのように演じてくれるのかとても楽しみです」と期待していた。

(C)柴門ふみ/小学館 フジテレビジョン
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東京ラブストーリーFOD(エフオーディー)、Amazon Prime Video
2020年4月29日午前0時に配信スタート。毎週水曜午前0時に最新話が配信