ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました- ニュース

<インタビュー>宮沢氷魚 活躍の中で実感した“成長”の手応え 今は「挑戦したい時期」

「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」で連城昴役を演じる宮沢氷魚さん
「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」で連城昴役を演じる宮沢氷魚さん

 女優の広瀬すずさん主演のWOWOWのドラマ「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」に出演する俳優の宮沢氷魚さん。ドラマは俳句とラップという“言葉”を巡って魂がぶつかり合う姿を描いた青春グラフィティで、宮沢さんが演じるのはコピーライターの連城昴。広瀬さん演じる桜木杏を俳句の世界へ引き入れ、近くで支えるという重要な役どころだ。近年、ドラマ、映画とさまざまな作品で重要な役を演じるなど活躍中の宮沢さんに、現在の心境や演じた役への思い、今後の目標などを聞いた。

 ◇悩みを相談できない昴に共感

 ドラマは、俳人の堀本裕樹さんの青春俳句小説「桜木杏、俳句はじめてみました」(幻冬舎文庫)が原作。芸大生リリックライターの杏(広瀬さん)と、俳人でコピーライターの連城昴が織りなす“言葉”を巡り、熱く魂がぶつかり合う姿を前後編で描く青春ドラマ。杏と昴の恋愛模様も描かれる。

 昴は、高校時代に俳句の全国大会で最優秀賞を受賞するほど若くして才能を開花させた実力者で、俳句を披露するシーンもある。ただ、宮沢さん自身は俳句に触れるのは小学校以来で、事前にキャストとスタッフによる“模擬句会”が行われたという。「なんとなく、どう作るか知ってはいたんですが、深くは知らなかったので、句会でどういうふうに俳句を書くのか、所作や手順もイチから教えてもらったり、ネットで俳句を検索したりしました。俳句と向き合うことって普段なかなかないので、自分から積極的にいろいろ調べて」と俳句へのアプローチを明かす。

 模擬句会では自身が書いた俳句も披露した。「銀杏の匂い嫌えど嗅ぎにいくという句。秋で、たくさん銀杏がなっている時期。あまり銀杏の香りが好きではないんですけど、秋を感じたいがゆえに、つい嗅ぎにいってしまう情景をイメージして書いたんです」と自作を説明する。

 昴は、広瀬さん演じる杏を俳句の世界に誘うが、自身はスランプに陥っており、悩みや葛藤ものぞかせるキャラクター。そんな昴に「自分とは違うなと思っても、理解はできる役ではあったと思います」と宮沢さん。悩みを人に見せず、自分で解決しようとする姿は自身にも重なるという。「昴は悩みを人に相談できず、自分で悩みに悩んで答えを見つけだそうというタイプ。僕もあまり人に物事を相談しない、というかできないタイプで。強がっちゃうのかもしれないけど、自分で答えを見つけようとするところは似ているなと思います」と共感する。

 ◇広瀬すずと初共演 「レベルの高さを感じた」

 主演の広瀬さんとは今作が初共演だった。宮沢さんは、広瀬さんについて「僕より年下なんですけど、すごくしっかりしていて。若いのにみんなをまとめてひっぱっていく姿を見ていて尊敬しました」と共演の感想を話す。演技についても「特にラップのシーンはすごく上手で、経験があるのか聞いてみたら、今回が初めてだと。言葉をラップ調で伝えるだけでいっぱいいっぱいだと思うけど、すずちゃんは言葉がちゃんと届いてくる。言葉に意味や重みを加えてラップという形で発信している。改めてすごいなと感じました」と感嘆する。

 そうした広瀬さんの姿から学ぶことも多かった。「役に入る瞬間の切り替えがすごくうまいというか……演じている中でも、気持ちの変化、自分の中での変化をすごく分かりやすく表現できる方だと思う。一緒にお仕事をして、学ぶことが多かったです。プロとしてのレベルの高さをすごく感じました」と語る。

 ◇数々の作品を経て成長を実感 

 近年は、2019年放送の連続ドラマ「偽装不倫」(日本テレビ系)ではカメラマンの伴野丈役で注目を集め、昨年は映画「his」(今泉力哉監督)で初主演、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」でも終盤、主人公の娘の結婚相手という重要な役どころを演じた。活躍が続く今、自身も作品を経るたびに達成感が得られているという。

 「ここ2年ぐらい、ありがたいことにいろんな作品に出演させていただいて。あっという間にいろいろ過ぎてしまい、振り返る余裕がないんですが……」と前置きしつつ、「ドラマ、映画、舞台と、自分にとって着実に成長を感じることができる作品が多く、次の作品をやる楽しみが絶えない。それが達成感にもなり、楽しいところです」と確かな手ごたえを感じているようだ。

 さまざまな作品への出演を経て、内面の変化もあった。現場での精神的なストレスが減り、演技により集中できるようになったと宮沢さんは明かす。

 「現場にいることのストレスのようなものは、かからなくなってきたと思います。この仕事を始めたころは、現場でどういう気持ちでいればいいのか、何をすればいいのか……(分からなかった)。今思えば、それでお芝居に100%集中できない、という瞬間もあったかなと感じています。でも、たくさんお仕事させてもらって、今は現場での居方……いかにストレスを感じずに芝居に集中できるか、心の整理ができるようになった。100%に近い集中ができるようになったかなと思います」と語る。

 現在26歳。20代の今は「とにかくいろんな役に挑戦したい時期」だという。「まだ20代は体力もあるし、頑張りどきだと思うので、20代のうちにいろんな役に挑戦して、成長して、30代は自分のやってみたい作品や役を考えられたらいいなと思っています」と前を見据える宮沢さん。「引き出しをひとつでも多く増やして、これからの作品にしっかり結び付けられるように、今年一年、がんばっていきたいですね」と意欲を語ってくれた。

 「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」は前編が2021年2月27日午後9時、後編は3月6日午後9時からWOWOWプライムで放送する。前編放送終了後、WOWOWオンデマンドで前後編を一挙配信する。

 ※カメラマン:Atsuko Tanaka ヘアメイク:阿部孝介(トラフィック) KOSUKE ABE(traffic) スタイリスト:秋山貴紀(TAKANORI AKIYAMA)

<インタビュー>広瀬すず “言葉”で大事にしている思い 「思ったことを、うそなく言えたら」

「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」で主人公の桜木杏を演じる広瀬すずさん
「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」で主人公の桜木杏を演じる広瀬すずさん

 WOWOWのドラマ「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」で主演を務める女優の広瀬すずさん。ドラマは俳句とラップという“言葉”を巡って魂がぶつかり合う姿を描いた青春グラフィティで、広瀬さんは不器用な性格だが言葉の力で自分の殻を突き破っていく芸大生リリックライターの桜木杏を演じる。「『きれいなことを言ってよく思われたい』という思いは、あまりない」と“言葉”について率直な思いを明かす広瀬さんに、普段意識していることや役への思い、今後の抱負などを聞いた。

 ◇「愛くるしい」役への思い

 ドラマは、俳人の堀本裕樹さんの青春俳句小説「桜木杏、俳句はじめてみました」(幻冬舎文庫)が原作。杏(広瀬さん)はある日、何気なく口ずさんだリリックをきっかけに、大手広告代理店勤務のコピーライターの連城昴(宮沢氷魚さん)に声を掛けられる。俳人でもある昴は、上司から俳句とラップをテーマにしたプロジェクトチームに引き入れられ、頭を悩ませていた。昴に丸め込まれた杏は、プロジェクトの手伝いをすることとなるが……というストーリー。

 杏は不器用な性格で友達がおらず、日々の楽しみといえば、言葉を綴ることと近所の掲示板の言葉を見ること。ただ、スイッチが入ると一気にしゃべりだす……といういっぷう変わったキャラクターだ。広瀬さんは「ちょっと人見知りの人が必死でしゃべっている、というような、人と話すときに常に変な緊張感を持っているような感覚は、最後まで忘れずにいようと思っていました」と振り返る。

 そんな杏を「愛くるしい、人に愛されるキャラクター」と語る広瀬さん。“変わった子”として演じていたが、徐々に愛らしさを感じられるようになっていったという。「ちゃんと変わった子でいたいな、と思っていたんですけど、演じているうちに、根はすごくピュアで、やさしくて可愛らしい女の子だと思い始めて……。つながった映像を見て『普通になっちゃったな』とは思った」と苦笑しつつ、「ひとりでずっとニヤニヤしているような気持ち悪い要素も、周りから見ると愛らしく、味方になってあげたくなるように映ったらいいな、と思います」と語る。
 
 ドラマでは、杏が俳句やラップで思いを表現する姿も描かれる。ラップは、リズムをつかみやすいコツなどを教わってから「ひたすら練習」したという。作中では、新進気鋭の人気ラッパーとMCバトルを繰り広げるシーンも。ラッパー・ハゲボウズ役の板橋駿谷さんは、広瀬さんが主演を務めたNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」で“番長”こと門倉努役での共演経験があり、「仲がいい方だったので本当にやりやすくて、遠慮なくぶつけられた」と楽しそうに語る。俳句は“模擬句会”の場を設けてもらい、宮沢さんらと一緒に句会のシミュレーションを行ったという。

 ◇「よく思われたい」という思いはあまりない

 俳句とラップという“言葉”に重点を置いた今作で主演を務める広瀬さん。“言葉”について、普段はどのようなことを意識しているのだろうか。

 「『いいことをしゃべろう』とか『奇麗なことを言ってよく思われたい』という思いは、あまりなくて。思ったことを、自分の言葉で、うそなく言えたらいいかな、と思っています。それで勘違いされちゃっても、あとで修正できるから、修正でいいんじゃないかな、と思っている部分もあって……」と広瀬さん。ただ、「でも、しゃべることが多い職業なので、それじゃよくないな、ということも(改めて)思いました」と少し笑って、戒めも口にする。

 ラップといえば、しばしば怒りを表現するツールにもなるが、広瀬さんは「あまり日常で怒るということがないです」という。「すごく怒ったりすると、(自分の中で)ランキングが付けられるぐらい。『これ、過去2位だ』とか」と笑い、「きょうだいげんかとか、家族に対して『こうしてよ!』みたいなのはあるんですけど、長続きするイライラとかは一切ないです」と明かす。

 ◇今は“がっつり”作品に入れることが楽しみ

 近年は朝ドラの主人公という大役を果たし、映画「一度死んでみた」(浜崎慎治監督)でも主演するなど、映像作品で引く手あまたの活躍が続いている。「一昨年からずっと『映画をやりたい』と思っていたんです(笑い)。昨年は1本だけ、撮影に入れたんですけど、もっとがっつり映画の世界に浸りたいな、という気持ちがあって」と広瀬さん。ただ、心境の変化もあった。かつては「絶対、一生やらない」と決めていた「舞台」作品を見る機会が増え、一気に舞台が好きになったという。

 「映画もやりたいけど、舞台への興味も一気に出てきて……。見ると、すごくやりたくなるんですよね。それがすごく大きな変化でした。コロナ対策をしながら行われている舞台は結構見に行っていて、圧倒的に今までよりも見ている時間が多くなったので、どんどんやりたくなってきちゃって。『インプットすると、こんなにも変わるんだ』ということをすごく実感しました」と変化を口にする。

 今後も、テレビドラマに映画に舞台に……と、一層さまざまなジャンルの作品での活躍が期待される広瀬さん。コロナ禍で、昨年は「作品に入っても数日で撮影が終わっちゃうことが多かった」が、今作の撮影で、再びしっかりと作品に入れた手ごたえを感じた。「今年はまたがっつりと作品に入れるので、楽しみですね。『頑張ろう』とか『こういうふうになりたい』という思いより『楽しみ』が一番、勝っています。お芝居するのが楽しみですね」と声を弾ませて語っていた。

 「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」は前編が2月27日午後9時、後編は3月6日午後9時からWOWOWプライムで放送。

広瀬すず、主演ドラマで俳句&ラップに挑戦 「あんのリリック」でWOWOWドラマ初登場

「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」で主演を務める広瀬すずさん
「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」で主演を務める広瀬すずさん

 女優の広瀬すずさんが、2021年2月にWOWOWで放送されるドラマ「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」で主演を務めることが11月9日、明らかになった。広瀬さんは同局のドラマに初出演で初主演。ヒット作「ちはやふる」(小泉徳宏監督)でかるた少女を演じた広瀬さんだが、本作では俳句とラップに挑戦する。

 ドラマは、俳人の堀本裕樹さんの青春俳句小説「桜木杏、俳句はじめてみました」(幻冬舎文庫)が原作。芸大生リリックライター・桜木杏と、俳人でコピーライターの連城昴が織りなす“言葉”をめぐり、熱く魂がぶつかり合う青春ドラマ。

 広瀬さんが演じる主人公・杏は芸術大学の学生。人との関わりを苦手とし、下宿の部屋で一人でラップのリリック(歌詞)を考えるのが至福の時間。折しも、その才能に気づいた昴に声をかけられ、ラップと共通点のある俳句に興味を持ち始める。これまで触れたことのなかった俳句の世界を通じて、新しい自分と出会っていくという役どころだ。

 杏について、広瀬さんは「杏ちゃんのちょっと変わったピュアな女の子をどう演じようか、今までになかったお芝居をしたいな、といろいろ試行錯誤しております」とコメントを寄せている。

 ドラマの演出を務めるのは「五億円のじんせい」の文晟豪(ムン・ソンホ)監督。脚本は、「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」(TBS)や「はじまりの歌」(NHK)、「長閑の庭」(同)などの荒井修子さん、音楽はソロプロジェクト「★STAR GUiTAR」のAkiyoshi Yasudaさんが担当する。

 「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」は2021年2月 にWOWOWプライムで放送予定。

 ◇広瀬すずさんのコメント

 杏ちゃんのちょっと変わったピュアな女の子をどう演じようか、今までになかったお芝居をしたいな、といろいろ試行錯誤しております。俳句、ラップと遠いようで近い新しい世界をまず自分になじませながら、言葉を大事に、チーム一丸となって、優しい、愛らしい作品になるよう、私自身も楽しみながら参加したいと思います。ぜひ皆様にも、楽しみにしていただけたらうれしいです!

 ◇堀本裕樹さんのコメント

 物語を楽しみながら俳句や句会のことが伝えられたらという一心で書いた小説が、広瀬すずさん主演でドラマ化されるとは、今でも夢じゃないかと思っています。撮影に入る前に模擬句会を行ったときの広瀬さんの印象は、透明感のなかに凛とした意志のある方だなと感じました。僕の話に耳を傾けたり、自らの句について語る広瀬さんは真剣で、ユーモアがあって柔軟。その充分な器量で主人公・桜木杏を演じてくださるでしょう。原作にはないラップが加わり、俳句がいっぱい詰まった青春ドラマをぜひお楽しみください。

ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-WOWOWプライム
2021年2月 に放送予定